全英オープン優勝"フランチェスコ・モリナリ"のデータ解析 | ジュニアゴルフ アジアジュニアゴルフ協会 吉岡徹治オフィシャルブログ Powered by Ameba

全英オープン優勝"フランチェスコ・モリナリ"のデータ解析

アメーバ「フェードボールで制したカーヌスティー」

 おはようございます!昨日は、全英オープンをタイガーウッズが優勝なる
 か?という展開でしたが、勝ったのはフランチェスコ・モリナリでした。

 彼以外でも試合会場でデータ解析機器を使用する選手が多く、そのほとんど
 はトラックマンであり、優勝直後に彼らのデータがすぐにアップされていま
 す。

 全米オープンを優勝したブルックス・ケプカのデータなどちょっと驚異的な
 内容だったりしました。

今回もデータ計測機器のトラックマンのサイトにそのモリナリのデータがア
 ップされていましたので、早速解説してみます。

 タイガーも使ってるんだけどギャラの関係?でなかなかデータがアップされ
 ないのが残念・・・どこかにアップされてないかな?

てんとうむしブルックスケプカはドライバーもダウンブローに打つ!「驚異的な数値はオリンピック選手並み?」



アメーバ「ドライバーのデータを詳しく解説します。」

 まずは、ドライバーですが、クラブスピード49.6m/s、ボールスピードは
 74.6m/sですね。世界のメジャーな選手では平均的なスピードでしょう。

 これをアタックアングル4.3度、クラブ軌道-3.8度、フェースアングル-1.6
 度(フェースクローズ)でインパクトします。

 データにはありませんが多分、スイング全体のプレーン(スイングダイレク
 ション)をほぼ0度のストレート軌道で振っているでしょう。そのプレーン
 上のアッパーでボールを捉えてフェードボールを打っています。

 多分練習でもSwing Dirというデータがほぼ0になるように練習していると
 思います。タイプ的にはローリー・マキロイやイアン・ポールターのフェー
 ドボールに近いはずです。

 トラックマンをいつも持って練習するには「Swing Dirを0に揃えておく」
 というのが一番やりやすい練習のやり方の1つです。フェード系のスイング
 を目指すならモリナリのデータは大変参考になります。うちのチームの次期
 主将のRIkiくんには教えておこうかな。



 ここからは全データが載っていないので想像ですが・・・

 ボールの打ち出し角度(ランチアングル14度)ですからインパクトロフト
 も13度前後でしょう。アタックアングルからスピンロフトは10度前後くら
 いか?

 そうなると低いスピン系のテータ〜メイドM4のドライバーの回転数も21
 00−2200rpmくらい?なので、スピン量の少ないフェードボールで風
 の中の全英を勝った感じです。クラブアナリストの皆さんの意見も聞きたい
 ですね。

 使っているロースピン系のドライバーをみるとスピン量やボールの高さ、弾
 道などもだいたい想像できます。

 ※ネットで調べたらM4のドライバーのロフトは8.5度ですね。

Driver: TaylorMade M4 (8.5°) with Mitsubishi Tensei shaft

Fairway Woods: TaylorMade M3 (13°) with Aldila XTorsion Green shaft, TaylorMade M4 (18°) with Aldila XTorsion Green shaft

Irons: TaylorMade P-790 (4), TaylorMade P-750 (5-PW), with True Temper Dynamic Gold X100 shafts

Wedges: TaylorMade Milled Grind (50°, 56°), TaylorMade Milled Grind Hi-Toe (60°), with True Temper Dynamic Gold S400 shafts

Putter: Bettinardi Dass BB0

Ball: Titleist Pro V1x

てんとうむし「Wnner's Bag: Francesco Molinari's gear at the Quicken Loans National」



アメーバ「クラブ軌道を揃えて弾道を揃えるアイアンの練習方法」

多分スピン量5879rpmからから6アイアンだと思われますが、打ち出し
 角度17度で、3.6度ダウンブローに打ってますから、インパクトロフトも
 24度前後でしょう。オーソドックスな数値です。

 クラブスピード41.3m/s、ボールスピード56.5m/sはうちのチームの中島
 くんたちとほぼ変わりません。ということは高校生たちも精度を上げれば
 すでにメジャーで戦えるスピードは身についているということです。
 
 ここで、3.6度ダウンブローで、クラブの軌道は0.6度、つまりほぼスト
 レートに入れてます。ということは、スイン全体のスイングプレーン
 (Swing Dir)は、少しカット軌道になっているはずですね。

 モリナリは、ドライバーはスイングプレーン(Swing Dir)を 0に合わせ
 て、アイアンはクラブの軌道(Club Pass)を0に合わせながら普段練習し
 ているのではないかと思われます。どちらもフェースはクローズ(ドライバ
 ーマイナス1.6度、アイアンマイナス1.4度)でフェード系の弾道で揃えてい
 ます。

てんとうむし「小兵でずんぐり、F・モリナリの全英制覇に見る【中空アイアン】の有用性と日本人勝者の可能性」

 


アメーバ「精度の高いロングアイアンをティーショットで多用する!」

 さらにウェッジの数値もみましょう。こちらもクラブ軌道、フェースアング
 ルトもにフェード系のボールを打つような数値になっています。このデータ
 は、ヒールでボールを捉えてストレート系に打っていますね。

 このデータをもとに次にサマーキャンプでも、ウェッジの打ち方をチームで
 研究したいですね。

 ボールスピード44.7m/s
 クラブ軌道 -2.2度(カット軌道)
 フェースアングル -3.0度
 アタックアングル -5.6度
 ダイナミックロフト 33.8度
 スピンロフト 39.5度
 スピン量 10611rpm
 打ち出し角度 23.1度
 
 ちなみに・・・

 実は、今回モリナリはほとんどのホールで、4アイアンをティーショット
 で多用してカーヌスティーを攻めていたようです。タイトリストの中空アイ
 アンで、タイガーよりも飛距離も出ていたようですし、安定していました。

 今後は4番あたりで中空アイアンとか使用することも検討ありです。その
 精度の高いロングアイアンの精度を身につけるのにデータを活用したのです
 ね。

 小柄な日本人もモリナリ(172cm)のように攻めればメジャーを勝つチャ
 ンスのあるかもしれません。