浜寺公園駅の旧駅舎再訪記 | 鉄道で行く旅

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和泉府中駅を見学した後の続きです。

JR東羽衣駅に着きました。

 

南海電車の羽衣駅です。下り線は高架になっていますが上り線は高架工事の途中のため、まだ地平にありました。

 

一駅だけなので電車には乗らずに浜寺公園駅まで歩きました。画像は現在進行中の連続立体交差事業の対象踏切の一つである浜寺公園1号踏切です。

 

南側から浜寺公園駅の保存駅舎に接近していきました。駅舎の側面には耐震設備や冷房装置の室外機が設置されています。

浜寺公園駅の旧駅舎(2代目)は辰野金吾の設計により、1907年(明治40年)に建てられた木造平屋建ての駅舎です。1998年に国の登録有形文化財に登録されています。初代駅舎(浜寺駅)の時代は1897年から1907年の10年間だけでした。

 

この駅舎が建てられた頃の浜寺公園はリゾート地(別荘地でもあった)でした。

やや正面から見た南海本線浜寺公園駅の保存駅舎(旧駅舎)です。この施設前にクルマのロータリーがあり、その照明灯を避けて撮影することが結構難しいのです。そういう理由により、この角度で撮影しています。

この駅舎の再利用開始直後の昨年春にも訪れましたが、そのときは、たまたま休業日でした。今回はカフェも営業している曜日を選んで訪問しました。

 

駅舎正面から見て右側にあるステーションギャラリーの内部を見学しました。

この部分は、駅舎開業当初の「特等待合室」と呼ばれているところです。

南海の歴史を調べたところ旧・南海鉄道の「1・2・3等制」は1907年1月に終わり「特等・並等」に変更されたため、「1等待合室」ではなく「特等待合室」とするのが正しいようです。それでも、駅舎の設計段階では「1等および2等客用の待合室」だったということでした。

 

特等待合室というのは、今の航空会社のサービスに例えると上級クラス客のためのラウンジのようなものなのでしょうか?(謎)

 

昔のイメージを残しながら再整備された室内です。

 

暖炉とマントルピースが復元されていました。建築当初は暖炉の煙突が屋根の上まで突き出ていたそうです。

 

明治時代の香りが残っているような気がしました。突き当たりのドアはホームにつながっていた扉です。

夏目漱石は、明治42年(1909年)10月15日に、ジャーナリストの長谷川如是閑と一緒に浜寺公園駅を利用していますので、漱石と如是閑がこの特等待合室を利用したものと考えられます。

2002年8月に撮影した現役時代の旧駅舎のプラットホーム側です。

 

マントルピースの付近から見たステーションギャラリーの入口です。

 

改札口前のホールは駅舎カフェのテーブルになっていました。カフェの店舗およびライブラリーは旧駅務室の中にあります。

 

旧駅舎の玄関部分です。

 

阪堺電気軌道の浜寺駅前電停にも立ち寄りました。

 

堺トラムが停まっていました。

 

迷った末に南海本線で帰ることにしました。

 

駅舎時代の2005年に撮影した浜寺公園駅2代目旧駅舎です。(ブログ再掲載ですので説明は省略します)

このときは、わざわざ夕暮れの時間に出かけて行って撮影しました。

 

今回の画像に戻ります。

旧駅舎が撤去され仮設の新駅舎に変わっていますが、プラットホームそのものは、今のところは昔のままです。

 

浜寺公園駅の上りホームです。

 

3年前にも見た古レールの支柱が今も残っていました。

(1?)899 ET IIIIII NANKAIという刻印ですので、米国のカーネギー社(CARNEGIE)が、まだ汽車の時代の「南海鉄道」向けに製造したレールです。南海鉄道の社名になってから最初に開通した天下茶屋 - 天王寺間(今はない1900年に開通した天王寺支線)のレールであったのかもしれません。

天王寺支線

廃線直前の頃の南海天王寺支線(今池町駅)

 

【旧駅舎時代のプラットホーム側の画像】

2005年に撮影したリバイバル塗装の南海7000系と浜寺公園駅旧駅舎のプラットホーム側です。

 

同じく1000系と浜寺公園駅旧駅舎のプラットホーム側です。

 

【付録】南海本線の懐かしい画像

1972年に南海電車新今宮駅で撮影した11001系(後の初代1000系)の難波行急行です。

 

南海1521系の南海本線普通電車です。(1972年)

 

1985年春に廃止された南紀直通「きのくに」のキハ5501・5551です。全車ダブルエンジンのディーゼルカー(国鉄のキハ58系よりも古いキハ55系をモデルにした急行用車両)だったため最後まで非冷房車のままでした。

南紀直通「きのくに」の難波駅到着時の回送列車の「回・きのくに」看板です。

 

南海電気鉄道のキハ5501・5551の車内です。

(おわり)