リヨンを歩く(中編)ラックレールのメトロC線 | 鉄道で行く旅

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リヨンのベルクール広場の近くで昼食をとった後、メトロに乗ってオテル=ドゥ=ヴィル駅に向かいました。

メトロA線のオテル=ドゥ=ヴィル駅のホームです。

 

ここから急勾配を登るメトロC線に乗り換えました。画像はオテル=ドゥ=ヴィル駅にある車両と勾配区間の模型です。C線の現行車両のデビュー時の塗装は伊予鉄道の最新塗装のようなオレンジ一色だったようです。

 

メトロC線のレールです。勾配区間に向かうため、軌道の中央にラックレールが敷設されています。

元々は、今はメトロC線の中間駅になっているクロワ=パケ駅とクロワ=ルッス駅を結ぶケーブルカー(フニクラ)だったのですが、1974年にラックレール方式の鉄道に変わりました。さらに1978年にメトロの路線に統合されています。このメトロC線の沿線はリヨンの歴史的な旧市街の一つだった丘の上にあるクロワ=ルッスの街が丘陵の奥の平坦地に向かって拡大発展した地域のようです。そのため現在の路線は旧ケーブルカーの両端駅から双方向に延伸されています。

遠藤周作氏の著書には遠藤氏の留学時の思い出として「クロワ=ルッスも中世の面影を残す街」と書いてありましたが、今は市庁舎を中心に一種の『副都心』になっており、見た目は古い街と新しい街が混じり合っているように感じました。

 

A線とC線の乗換駅であるオテル=ドゥ=ヴィル駅のC線ホームです。リヨンのメトロの中では唯一の普通の軌条が使われています。他のメトロ路線はゴムタイヤです。

 

2011年に利用したときには終点のキュイール駅までメトロのC線に乗車しました。クロワ=ルッス駅とキュイール駅の間は丘の上の平坦線であるためラックレールはありません。またメトロC線全区間の集電方式もメトロらしくない架線集電です。それも低速で運行されるため日本の超ローカル線のような直接吊架式でした。(2011年11月)

 

今回はクロワ=ルッス駅で下車し、そこから世界遺産の旧市街の坂道をクロワ=パケ駅まで徒歩で下りました。この間のメトロC線はラックレール区間ではあるものの地下線内のトンネルを走っています。

画像は坂道に咲いていたセイヨウハナズオウです。偶然に通りかかったわけですが、ここはローヌ川が見えるため撮影名所のようでした。地元のカメラマンが座り込んで写真やビデオを撮っていました。

 

クロワ=ルッスとクロワ=パケの間の崖の上から見たリヨンの丘の下の街です。

 

昔はケーブルカー(フニクラ)の麓の駅だったメトロC線のクロワ=パケ駅が見えてきました。

 

現在はラックレール区間の途中駅になっているクロワ=パケ駅構内です。画像のとおり架線はトラムのような直接吊架式です。

 

ホームに降りたところ、運のいいことに回送列車がやってきました。

 

メトロC線の最急勾配は百分率(/セント ・・・ パーセント)では17.5%です。これを千分率(/ミル ・・・ パーミル)にすると175パーミルになります。このクロワ=パケ駅のホームはかなり傾いています。

 

このメトロに乗って、リヨンの街の中心部に帰ります。

(つづく)