セーヴル展とEF66 | 鉄道で行く旅

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今回は「セーヴル展とEF66」という『無茶な』タイトルです。

先ずは鉄道写真です。前回撮り損ねた北方貨物線のEF66です。101号機でした。

 

続いて、唐突に昨日の行動です。

大阪市立東洋陶磁美術館に行ってきました。

 

東洋陶磁美術館から見た大阪の中之島です。

 

東洋陶磁美術館の特別展は「フランス宮廷の磁器 セーヴル」でした。

セーヴルは今でも、ごく一部の市販品を除くと、フランスの国賓接待用の食器です。日本でセーヴルに似たものとしては『鍋島藩の直営窯』が一番近いのではないかと思います。その鍋島焼の流れを汲む今泉今右衛門さん本人の大作を所有している人は現実には少ないと思いますが、セーヴルの製品もそういったものです。

このセーヴル展ではフランス革命以前のルイ15世やポンパドゥール夫人(ルイ15世の公妾で、有名な文化人。現在は仏大統領官邸になっているエリゼ宮殿に住んでいたこともありました)の出資で作られた旧・セーヴル窯の製品も展示されていました。

展示物は一部を除き撮影が可能でした。その撮影可能な展示品の中で、個人的な好みの品だけを紹介します。

ルイ15世の「ブルーセレストのセルヴィス」という大規模食器セットの中の大皿です。(1754-1755年)

現在の美術館の展示台などは免振構造になっており大阪の地震でも展示品の被害は全くなかったそうです。

 

ポンパドゥール夫人も購入したと言われる「貝を捧げ持つニンフ」です。

 

ルイ15世の寵姫デュ・バリー夫人が発注した食器セットから「煮込み肉用の容器と受け皿」です。

 

1757年に製作されたポプリ壺です。この中に乾燥花や香草・香辛料を入れ、部屋に香りを拡散させるものです。

 

ロシア皇帝エカテリーナ2世が用いた「カメオとイニシャルのセルヴィス(1778年)」の食器セットの一部です。食器セットの大半はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に保管されているそうです。

伊勢の国・白子の廻船船頭・大黒屋光太夫がロシア領まで漂着した後の1791年にサンクトペテルブルク(当時のペテルブルク)から少し離れたエカテリーナ宮殿で、ロシア帝国の女帝・エカテリーナ2世に謁見しています。そのエカテリーナ2世により大黒屋光大夫は日本への帰国が許されました。

 

「リボンのデジュネ(1772-1773年)」という2人用の朝食用食器です。

エカテリーナ2世の息子バーヴェル・ペトロヴィチ大公向けに製作されたものです。

 

1781年のルイ16世とマリー・アントワネットの長男「ドファン」の誕生を記念して製作されたスープ用の蓋付小鉢と受け皿です。たいへん豪華な金彩が施されています。

 

壺「コテ・デュ・ロワ(1776年)」です。

この壺は貴族の城館の暖炉のマントルピースの上に置くものです。

 

1864年製のデザート皿「コルマールの風景」です。

 

セーヴル・ブルーの現行品にかなり近いデザインの皿です。

これは1967年製の「パンプルネルのセルヴィス」です。

 

シメールのティーセット(1892-1893年)です。

一度、こういう食器で紅茶を味わってみたいものです。

 

日本のデザイナーのセーヴル製品もいくつかありましたが、ここでは一つだけ紹介します。

日本のプロダクトデザイナーである深澤直人氏の作品です。パリのメトロ(地下鉄)の壁のタイルを彷彿とさせるレリーフ装飾の壺(2010年)です。

 

たしかにパリのメトロの駅の壁タイルは私も印象に残っています。

↓白いタイルを意識してパリのメトロ駅を撮った画像です。(2015年に撮影)

メトロ駅の天井だとか壁全体を遠目に見ると、心地のよいデザインです。このように、遠目には美しく、細かいところはそれほどでもないフランスの街の風景とよく似ています。逆に日本は個々では美しいように思うのですが、街とか駅全体などの総合的なデザイン面では今ひとつな感じがします。

パリの地下鉄駅は日本の地下鉄駅と比較すると、もの凄くシンプルです。

 

東洋陶磁美術館の常設展示はセーヴル展のために縮小されていましたが国宝2点は展示中でした。

国宝の飛青磁花生(元時代)と油滴天目茶碗(南宋時代)です。

今では、1977年に経営破綻した大手総合商社の「安宅産業」や「安宅(あたか)コレクション」を知らない人も多いのではないかと思います。

 

大阪市立東洋陶磁美術館を後にしました。

京阪電車の「なにわ橋」駅から中之島駅へ。

 

中之島駅からJR野田駅まで歩きました。

野田駅でEF66牽引の貨物列車を撮影しました。再び101号機でした。

 

西九条駅まで201系に乗車しました。

(おわり)