はみだす・あそびば。 | Work , Journey & Beautiful

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オルタナティブな学びを探求する

 

グローバル化が進むにつれて相対的にローカルの価値が高まっているように思えるのは、至極自然なことで。少なくとも今のところ、グローバルという概念の中には文化的な価値は生まれない。何故ならば、グローバル化の背景にあるテクノロジーはユニークネスとは真逆の方向を向いているから。だからこそローカルに根付く、そのローカルならではの営み、歴史や積み重ね、そうして耕されたカルチャーの相対的な価値が高まっていっているのだろう。

 

大事だと思っているのは、ここで言う「ローカル」ってのは「田舎」って意味じゃない。あるいは都市と地方という比較の中で語られるものでもない。語源の通り、人が暮らし、働き、学び、遊ぶ「Locus(場)」、それがローカルという言葉が意味していることなのだと思う。

 

これはどういうことかというと、僕らは都会にいるか田舎にいるかということとは無関係に、どこにいたとしても、サイトスペシフィックであることを大事にする態度で活動することで、新しい価値を編み出していくことができる、ということだ。

 

一部の人が指摘するように田舎の方がスペースもたくさんあって何かを始めることは比較的簡単といえば簡単だけれど、依然として何かを始めるということ自体のハードルは高い訳で。また、東京のようなメガシティの中に、どのような文化的な価値を生み出していくのか?という課題に目を背け続けることができないことも自明な訳で。であるならば、東京、千代田区、神田錦町というローカルで僕らはどんな価値を生み出しうるのかを考えてみようじゃないか。

 

そんなことを考えながら、プレイフル・ストリートの回を重ねてきている。

 

地元の人たちとのコミュニケーションを重ねつつ、集客を追いかけたり、収益化を拙速に考えない。ただただ、サイトスペシフィックかつ一過性ではない、それでいてテンポラリーな活動の形を僕らは模索している。そして今は、これは僕らなりのスクラップ・アンド・ビルドなのだと思っている。焼け野原から1964年のオリンピックに向けて様々な建物がスクラップ・アンド・ビルドされた東京というローカルで。今、まさに2020年のオリンピックに向けて新たなスクラップ・アンド・ビルドが行われているローカルで。建物を壊しも、建てもしない、一日限りのテンポラリーな活動を繰り返す、スクラップ・アンド・ビルドなのだ。

 

これまではオフィスビルの中に、様々な人と熱気が混ざり合う場を作っては壊してきた遊び場シリーズ。今回は『はみだす・あそびば』。いよいよ、オフィスビルから街へとはみ出します。いろんな人と、つくって、はみ出して、また壊す。この繰り返しの果てに、どんな営み、どんなカルチャー、どんな価値が生まれるか。そもそも何かが生まれるのかどうか。それも引っくるめて、実験なんだ。