ある中古住宅を内覧された外国籍のご夫婦。
某住宅サイトから内覧の申込があり、「みのる」とだけ名乗られていました。
案内で初めて外国の方とわかり、改めて名前をお聞きすると、今度は「金本まもる」と名乗りました。
韓国の方のようで、いわゆる通称名?なのでしょう。
ん?? 「みのる」??? 「金本まもる」???
1ケ月経ってから、買い付け申込書をFAXで提出して来ました。
氏名欄には、今度は片仮名で「キン マモル」でした。
韓国だったら漢字明記じゃないのかな。ちょっとした違和感を覚えました。
その買付申込書をもって売主さんご夫婦のもとへ報告に行きました。
「もしかして、この方、ハイエースに乗ってきませんでしたか?」
え?確かにハイエースだった。
「もしかしたら、隣に住んでた韓国の方じゃないですかね・・・・・。もし、そうだったら売りたくないんですけど。」
売主さんご夫婦の話からすると、5年くらい前からずっとトラブルが続いていたそうです。
道路に荷物を置きっぱなしにしていたことから、旦那さんが注意をしたことがきっかけだったそうです。
それから、いやがらせをされたり、時には言い合いの喧嘩にもなったり、警察が出動する騒動にもなったそうです。売主さんからの話なので、どこまでが本当か、どっちが悪いかはさておき、
大事なのは「売主さんがこの買主さんには売りたくない」という感情を持っているという事です。
それで、違和感にようやく気付きました。
本名を韓国姓で名乗ってしまうと、隣人だった事がバレてしまうからひた隠しにしていたんじゃないでしょうか。
案内の際にも、質問をしてみても歯切れも悪くて職業を聞いても、全然答えてくれないのです。
仕事柄、どんな仕事をされているか、どんな家族構成か、在日してどれくらいなのか、などを売主さんにもお伝えしたくて、聞いても話をはぐらかされてしまいました。
買付申込書ですら、片仮名で記入していて正式な名前がわからないわけで、きっとここに正式な名前を書いてしまったら、売主さんご夫婦にすぐバレてしまうから、隠していたんだと思いました。
隣の登記簿謄本を取ってみたら、ビンゴでした!!!
韓国名が記載されていて、日本の読み方はまさにそれでした。
さて、どうやってやんわり断るか・・・・・・が問題です。
①「売主さんの一身上の都合により、今回はご縁がなかったということにしてください。」
②「金本さん、もしかして隣に住んでいた方ですか?もしそうなら、売り主さんがあなたには売りたくないそうです。」
変な断り方をしてしまうと、金本さんからの報復が怖いと売主さんご夫婦は心配されています。
でも、いつまでも濁して返事を引き延ばしても、限界がありますし、どうしたらいいんでしょう???
買主の金本さんにも心当たりがあるから、隠してたんでしょう。
普通、人間の心理として購入したい場合、仲介業者にアピールするんです。
「ワタシ、売主さんの隣に住んでたヨ。名前言えば解るヨ。仲良くしてたヨ。」って。
共通の知人がいることをアピールしたり、少しでも親近感をもってもらえるようにするものです。元隣人ならば、なおさらそうするはずです。
でも、それをしなかった。ひた隠しにして。
せっかく、買主が現れたと思ったのにな。
丁寧に正直なことを伝えてお断りしようっと。きっと、遠回しな言い方をしても日本語は曖昧すぎるしね。
※名称はすべて仮名です。