いよっ!待ってました!!
ブラピ主演でハリウッドで映画化された、伊坂幸太郎さんの小説『マリアビートル』。
その続編となる『777(トリプルセブン)』が、ついに出たのでございます←ずいぶん前に、だけど💦
いやあ~『マリアビートル』は、1冊で終わるにはもったいない面白さだったもんね
続編が出るのは当然でございますよ
『マリアビートル』『777』は、ともに伊坂さんの「殺し屋シリーズ」のうちの1冊です。
さまざまなワザを駆使する殺し屋たちが、場合によっては敵になったり味方になったりしながら、入り乱れて大バトルを行うのがこの「殺し屋シリーズ」の妙。
いわば、殺し屋バージョンの「全員、悪人」小説でございます。
といっても、そこは伊坂さん。
死体は山ほどできますが、グロいシーンはございません。
読後感も驚くほどよいのですよ。
今回は今まででいっちばん読後感がよかったかも!
なんたってアナタ、伊坂小説には珍しく、カップル誕生で終わってますからね。
といっても、そこに甘さは一切ないのもまた伊坂さんらしい
今回のストーリーはこんな感じ
やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。
前回は、東北新幹線の電車内でスーツケースを受け取るだけの「簡単かつ安全な」仕事だったのに、結局は殺し屋たちのバトルに巻き込まれ、新幹線から降りられなくなった七尾。
今回は、「都会のホテル」という、新幹線とは違った「密室」から出られなくなります
殺し屋のくせに気弱で平和主義者の七尾ですが、いつも天才的な対応力で数々のピンチを切り抜けてしまい、彼が歩いた後には死体の山が出来上がるんです
前回、めちゃくちゃナイスなキャラだった「檸檬と蜜柑」という2人組の殺し屋が死んでしまい、私を含めた多くの読者が悲しみの涙に暮れましたが、今回はその穴を埋めるべく「高良と奏田(コーラとソーダ)」という2人組の殺し屋が登場!
高良は冒頭で死んじゃうんだけど奏田が、檸檬と同じように、謎の名言を吐きまくります
彼があとから七尾の助けになる点も同じ。
まあでも、檸檬ほどのキョーレツキャラじゃないので、実際には檸檬の穴は埋まってないんだけどね
とにかく、この疾走感に溢れた物語は、一度読み始めたらページをめくる手が止まりません!
タイトルの『777』は、とびきり不運なのに幸運の天道虫というコードネームをもつ七尾への皮肉であるとともに、今回の事件の真相につながるフレーズをも示唆しています。
人を踏みにじることに快感を覚える本当の悪人たちと、裏家業に手を染めていても、人としての情や矜持を忘れない愛すべき悪人たち。
難しいことは考えず、ぜひ彼らの丁々発止のやりとりと、多視点ならではの活劇を楽しんでくださいね!