5人目は能美クドリャフカです。
巷ではあんまり感動したときかない話。西園ルートや葉留佳ルートと比べると面白かったと聞かない話です。しかし、ところがどっこいKeyらしくいい話でした。
評価はパトラッシュ半分と精神崩壊1日です。
前半は「う~ん、ただのロリキャラ?」といったようなストーリー展開がつづいて、「いかがなものか」と思っていました。それは、個別ルートに入っても感じていたのですが、クライマックスの1時間くらいはすごかったですね。ストレルカでなくパトラッシュが待機してました。
「クドリャフカはストレルカのお姉さん」
最初にこの意味を知っていたら、もっと興味深い話と感じられたかもしれません。さらにクドリャフカの誕生日は11/3というのもすごい意味があるんですね。後で気づきました。
(注:書いた時は本当に11月3日と思ってました。でも、実際は物語の都合上6月12日だそうです。作者は本当は11/3にしたかったそうです。)
クドルートは個人的には他の人より後でやった方がいい気がします。少なくても小毬ちゃんより後がお勧めです。
尚、野球は2-0で初めて勝ちました。しかも、完封です。2点はともにゆいちゃんのランニングホームランです。大分、鈴が強くなってきました。
以下はネタばれ(やってらっしゃらない方はやってから来られることをお勧めします。)

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クドリャフカという名前を初めて知りました。だって、私が子供のころはライカという名前で習っていましたから。
東西冷戦真っただ中で宇宙開発競争をした時、ソ連が初めて地球軌道を回る人工衛星の打ち上げに成功しました。そして、初めて宇宙に飛んで行った動物、それは、犬の「クドリャフカ」でした。西側諸国ではライカと呼ばれていました。クドリャフカの載ったスプートニック2号は大気圏再突入の仕組みはついていませんでした。つまり、帰ってこれない片道飛行。クドリャフカは衛星軌道投入後、10日後に毒入りのえさを食べて死んだと当時は発表されています。でも、実際は、衛星軌道導入後、5~6時間で断熱材の不良による過熱と色々なストレスで死んだとされています。船内の温度はセ氏41だったそうです。その日付は11/3なんですね。つまり能美クドリャフカの誕生日なんです。
小毬ちゃんが宇宙に行って帰ってきた犬の話やクドができそこないのライカとか言われたのもこの影響なのかもしれません。
その後、バルスとリシチカという2頭がロケットに乗りましたが、発射30秒後に爆発。
そのあと、スプートニク5号にヴェルカとストレルカの2頭が載せられて周回軌道に達しました。次の日、この2頭は無事帰還しました。その後、ストレルカは子供を産んで、一頭はケネディ大統領の娘におくられました。そして、ストレルカの子孫は今も生きています。
ゲーム内でストレルカが子供を産みそうなのもこの影響と思われます。
有人飛行の失敗の話は「ふたつのスピカ」を彷彿させました。主人公のアスミが宇宙ロケットの事故の巻き添えで母親を亡くしたこと。それでも、宇宙飛行士を目指すところなど似ています。背が小さいところなんかも。
それと、テヴア共和国が宇宙開発を目指すのもよくわかります。赤道上で軌道エレベータを作る。そして、その素材となるカーボンナノチューブの研究者も一緒に来る。そして、途中に空の真ん中に国を作る。とても、夢のある話です。ここらへん、非常によくできてるんですね。
こんな感じで参考となる話や逸話が多い話と思いました。だから、結構物語が奥深いんですよね。
でも、やっぱり泣けてきたのはTRUE ENDで理樹の想いがクドの鎖を解放した時とクドが戻ってきたときです。思わず涙腺から汗が出てしまいました。若干、TRUE END側はその後の物語とつじつまが合わなくなりますが、それはご愛嬌で。ちなみに、エンディングのクレジットの後の話は物語のBAD ENDの後につながっているような。
ストーリーの持って行き方は、CLANNAD AFTERSTORYばりの持っていき方でしたね。パラレルワールドというかタイムスリップというか。しかし、やっぱり、KANON、CLANNADといった奇跡系はKeyらしくて好きです。
良いルートでした。
補足:他のネタバレ編と違い具体的なエピソードにあまり言及していません。これはクド編が個別ルートのようで本編のリフレインにつながる重要な伏線がばりばり埋められているためです。物語の核心に触れるため書ききれていません。アニメのリフレイン編が終了後見直し版を作ります。
さらにネタバレ考察
謎の多いクドルートですがリフレインが終わってもきちんと解けていない謎があります。
「チルヌシカ・ストルガツカヤは生きているのだろうか」
クド編では故郷に帰れなかったといっています。そしてお母さんのものの思われる認識票を持っています。そこで、夢の中の世界で故郷に帰ることを選んでいます。
こうやって考えると母親死亡説というのもうなずけます。
一方、なんども夢の中で繰り返して、その度帰らずその結果認識票を手にしたとも考えられます。そして、リフレインが終わった後に「クドの故郷で大変なことが起こったらしい」と他人事のように言っているので、実はきちんと生きているとも解釈できます。
こんなもやもや感のあるクドルートですが、正解は実はクドわふたーのアフター編こそが一番真実っぽいのかもしれません。つまり、このルートには答えがないのかもしれません。
