HRZ-12 キングライガー

旧末期ゾイドというだけで渋面を作る者も少なくないだろうが、「意外と綺麗だな」というのが初見の感想。メッキに加えて赤い部分もメタリックカラーでの成型なので存外高級感はある。
それにしてもシールドライガーより小さいのに「キング」を名乗るというのは僭称ではないか?(笑)
あれか? 『ジャングル大帝』のレオ的なあれなのか? 小さな王者みたいな。そういえば白いし。だけど体格的には名前負けの感は否めない。
そもそもライオンにも見えないしなぁ、と思っていたら公式サイトのバトストで、旧末期ゾイドがモチーフに似ていない理由が後付け設定で語られていた(笑)。こういう遊びは好きである。
バトルストーリー|ゾイドアルティメットウェブ|タカラトミー
ギミックは歩く+口パクだけなので特筆すべき点はなし。ここはグレードアップユニットのウイングライダーとセットで復刻して欲しかった。

キングライガー
GRZ-11 クリムゾンホーン

名機レッドホーンの改造機であるため、保守派はこれを「改悪」と捉える向きもあるのではないかと思う(実は私も当初そうだったのだが)。
だが、レッドホーンの意匠を残しつつも効果的にシルエットが変更されており、少なくとも差別化には成功しているといえよう。

襟飾りの荷電粒子偏向砲と副腕(三連リニアキャノン)が手動で可動。
この副腕がまた守旧派の反感を買いそう。実を言うと私も好きじゃない(苦笑)。
しかし!
やはりゾイドは動かしてなんぼである!
要塞を思わせる背部に据え付けられた四基の砲塔が歩行に連動。レッドホーンとはまた違った魅力を開花させている。もう大好き。
一つ難を言えば砲身がオーソドックスな円筒状でないことか。攻めたデザインではあるのだが、パッと見の記号性では劣ってしまう。新しい物を生み出すための攻めの姿勢も大事だろうが、分かり易さとのバランスは常に考慮してもらいたい。ゾイドが「分かる人には分かる」物になってしまうのは寂しいのである。
とはいえ、既にゾイドが良く分かっている諸兄にはお薦め。食わず嫌いの頑固親父にも是非手にとってもらいたい。

クリムゾンホーン
スーパーロボット大戦K
ゾイドがスパロボに初参戦を果たしたということで、私もスパロボに初参戦してみた。
以下感想を綴るが、私は『K』以外のスパロボも『ゾイドジェネシス』以外のアニメも全く知らないということはご留意願いたい。
さて、エンディングまで一通り終わらせた感想であるが、ぬるい。ぬるすぎる。まごうことなきヌルゲーである。
ジャンルはシミュレーションRPGで、基本的には敵を全滅させれば面クリア、母艦を落とされたらゲームオーバーとなる。が、全編を通してゲームオーバーになったのはただの一度、拠点に敵が到達したら敗北となる特殊な面のみであった。
就寝前の朦朧とした意識で適当にやっても負けることはなかったのだから、誰でもクリアできる難易度と言って差し支えあるまい。
かように、ゲーム性・戦略性は極めて低い。反射神経や操作の精度を試されるゲームでもないというのに、頭は使わなくてもかまわない。理屈で言えばとてもそんなゲームが面白いとは思えないが……
ところがそうではなかった。なぜか、面白かった。
かつてスパロボ好きの友人に「スパロボのどこがシミュレーションなのさ」と皮肉に問うてみたことがある。「スパロボはスーパーロボットの強さをシミュレートしているんだ」と返された。当時の私はゲーム性原理主義者であったから鼻で笑ったものだが、今ではその意味も分かる。スパロボは、ロボットアニメの興奮を再生する装置であったのだ。
それは主に、SDながら精緻な戦闘アニメーションによる部分が大きいだろう。原作をよく観察して再現、翻案している。何度も何度も「あー、あったった!」と興奮を喚起させられた。
例えば、ムラサメライガーが敵を切り伏せ、スライドターンで旋回して見得を切る。
例えば、ランスタッグが棒高跳びで跳躍する。
「あー、あったあった!」
デッドリーコングの棺桶スケボー、バンブリアンの手押し車、ソードウルフの衝撃波、ソウルタイガーの残像、そして、コトナの尻。様々な熱いシチュエーションが再現される。
「あー、確かにこうだった!」
アニメを見ていた時の興奮の再現。これが面白いのである。
さらには原作にはない、しかしながらさもありなんと思わされる二次創作も見事だ。
ユニットの一つにア・カンのモルガキャノリーがあるのだが、これにガトリング、キャノンを超える武器として「無敵団」が用意されている。
「無敵団」を発動するとどこからともなく無敵団メンバーのカラフルなモルガたちが現れて敵をフルボッコにするのだが、途中、自称「博識の美少女」フリ・テンのモルガが岩にけつまづいて跳ね上がり、たまさか敵の上に落下するという演出が入る。フリ・テンはドジッ子属性で劇中でもしょっちゅうこけるキャラだったのだが、それを表現するのにモルガでこけるのである。原作にはないが、見事にキャラクター性を表現しているし、無敵団自体がギャグ要素なので世界観を発展しこそすれ損なってはいない。初めて見た時は思わず破顔した。担当者はよく『ゾイドジェネシス』を研究していると感心させられた。
(欲を言えばフリ・テンの眼鏡は割れるべきだった)
この、単なる模倣にとどまらない創造性に満ちた演出力は、私が当初想定していなかった事態を惹起した。ただの一度も見たことがないのに、ゾイド以外のロボットも好きになってしまったのだ。『ガン×ソード』や『キングゲイナー』は今度見てみようと思う。それほど、スパロボの演出は強く、熱かった。
演出が主とすれば、ゲームとしての体裁は従である。ユニットの改造、キャラクターの成長も、強かったアニメのロボットを再現するためにある。
元々難易度が低いのだから、キャラクターがますます強まっては本来ならゲームがつまらなくなってしまうところだ。しかし、お気に入りのキャラクターを強くすることは楽しい。なぜなら、その行為がスーパーロボットをより正確にシミュレートすること、すなわち興奮の再生による快感につながるからである。
過去の感情をソースにした脳内麻薬発生装置、それがスパロボの正体だった。
最後になるが、シナリオについて一言だけ。
知らないキャラが何十人も出てきて、原作の知識を前提としたドラマが展開されたので苦痛だった。ほとんど読み飛ばしていた(笑)。
まぁ、それでも十分楽しめたんだからいいじゃないか。

スーパーロボット大戦K
ギルガ
装甲巨神に匹敵する性能を持つ究極のバトルアーマー、ファイナルアーマー「ギルガ・メシュ」、通称ギルガ。いわゆるボスキャラと考えていいだろう。

メソポタミア神話の英雄の名を冠するアーマーであるが、古代メソポタミアの戦士の姿とは違うと思う(笑)。多分。バケツヘルメットなどからして中世の騎士がモチーフだろう。

例によって剣と盾は手で構えることができる。
前腕部のランナーは装甲巨神と同じで、バネでテンションをかける機構。こういうところから装甲巨神と同等という設定に説得力が出てくる。

コクピットは胸の中央部にあるが、操縦席がせり出すギミックは無い。ちょっと残念。

胸部装甲を展開すると主砲が現れる。
装甲巨神と同等らしく歩行はちゃんと腰のひねりがある。
顔を左右に振るギミックは悠然と睥睨する王者を思わせる。マリンカイザーにしろギルガにしろ、わずかな連動ギミックの違いでキャラクター性に違いが出てくるのが面白い。こんなに出来が良いのになぜ売れなかったのか……。商売って難しいな。
これにてZ-KNIGHT祭りは終了。スカルダイバーとデザートウォーカーが手に入ったときはまたレビューしたい。というか、誰かください。
エギール
Z-KNIGHTは宇宙移民のキルナ宇宙軍が地球に侵略戦争を仕掛けて来るという清々しいまでにガンダムな背景設定があるのだが、そのキルナ宇宙軍の水陸両用バトルアーマーがこのエギールである。
バトルアーマーとはZ-KNIGHTの世界での標準的な兵器で、ワンオフ機である装甲巨神と比べるとはるかに格下。量産型のザコキャラだ。

うん、いかにも水陸両用モビ、じゃなかった、バトルアーマーと言う感じのデザインだ。
両肩にロケットランチャー、手にはハンドバルカンを装備。

手の開閉機構はバネを使った凝ったものではなく、簡易なものに変更。
しかし保持力は十分ある。

腰の両サイドにある装甲版を銃に取り付けることで、盾にもできる。「だから何?」程度のギミックではあるが、少しでもプレイバリューを増やそうとする意気は買いたい。

マリンカイザーとツーショット。体格が一回り違う。装甲巨神が一騎当千であるという設定に説得力をもたらす差別化だ。
歩行ギミックも腰のひねりがオミットされており、ただ腕を振って歩くのみ。
これはバトルアーマーがただ単にシリーズの安価なアイテムというだけでなく、装甲巨神が生物であるが故に高度な機能を誇っているという設定を裏打ちする効果があるように思う。体格然り、手の機構然り。優れたシリーズ構成、戦略だと思う。これが売れなかったというのは実に惜しい話だ。