それだけで良かった Ⅳ「いらっしゃいませ」 店に入ると、何故か顔がこわばる。 緊張する事なんてないのに。 「今日は何をお探しですか」 目が合わせられない。 顔が火照っているのが自分でもわかる。 しばらく固まっていたが、勇気をふりしぼって言った。 「ただ、君を・・・」 「え?」 「ただ、君を愛してる」 彼はしばらく、不思議そうにこちらを見ていた。 そして、何か気がついた様な表情をして、 「僕も好きです」 そう言って探しに行ってくれた。