気付いてほしい Ⅴ次の日、パン屋へ行くのは最後にしようと決意して お店に向かった。 「いらっしゃいませ!」 いつものあの子だ。こころなしか元気がある。 思い切って話しかけてみた。 「同じ学校だよね・・・僕、知ってる?」 「うん・・・いつもお店の前を通ってたから・・・」 「えっ!」 どぎまぎしながらパンを選び、 レジをすませた。 「また来て下さいね」 そう言いながらパンの袋を差し出した手は いつもの持ち方に戻っていた。 「ありがとう」 そう言いながら僕は左手でパンを受け取った。