「お前、どうやって生計立てているんダニ!」
…と、静岡で銀行員をやっている先輩から電話がありました。
あれこれ説明はしてみるのですが、「筆と法で生活する」というスタイルが、どうしても理解してもらえないようです。
筆で感性を揺さぶり、法で理性を整える。その豊かさ、優雅さは、自己満足では留まらないように感じています。
「それはそれで、いい暮らしダニ!」と先輩に行ってもらえるよう、生徒の皆さんと共に、活動を続けていきたいと思います。
書についてのブログもぼちぼち更新中です
http://ameblo.jp/takeda-souhou/
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さて、昨日の記事の続きです。
「京都府児童ポルノ規制条例」について、(1)プライバシー権(憲法13条)、(2)罪刑法定主義(憲法31条等)、(3)条例制定権の限界(憲法94条)についての問題が生じるんじゃないのか…というところで終わっていましたね。
それについて、[穴埋め問題]を交えながら、コメントしていきます(穴埋め問題の解答は最後に記載しています)。
(1)プライバシー(憲法13条)
曖昧不明確な要件で行政調査権を認めた同条例9条1項は、憲法13条(プライバシー権)に違反しないのでしょうか。
※京都府児童ポルノの規制等に関する条例(京都府児童ポルノ規制条例)9条1項
知事は、廃棄命令等をするため必要があると認めるときは、その職員に、児童ポルノを所持し、又は児童ポルノ記録を保管していると認められる者その他の関係者(以下この条において「関係者」という。)に対し、当該児童ポルノを所持し、又は当該児童ポルノ記録を保管していると認められる場所に立ち入り、調査させるよう求めさせることができる。
過去、同じ京都府で起こった事件について最高裁が、プライバシー権(肖像権)を制限しうる3要件を立てています(京都府学連デモ事件・最大判昭和44年12月24日)。3要件が今回の事件に当てはまるのか。試験対策としても、考えてみたいところです。
(本人の承諾なく写真撮影が許される要件)
①( )が行われ若しくは行われた後間がないと認められる場合で、②( )の必要性・緊急性があり、③その撮影が一般的に許容される限度を超えない( )をもって行われること。
(2)罪刑法定主義(憲法31条、73条6号但書等)
京都府児童ポルノ規制条例13条は、「児童ポルノ…の提供を受けた者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」としています。
このように条例で刑罰を定めることは、刑罰は国家のルール(法律)で定めるという「罪刑法定(法律)主義」(憲法31条参照)に反しないのでしょうか。
※京都府児童ポルノ規制条例第13条1項 判例は、法律(地方自治法14条3項)が( )に( )したうえで刑罰制定権を条例に授権している以上、同条項の範囲内で条例で刑罰を定めることは許されると解しているようです(大阪市売春防止条例事件・最判昭和37年5月30日)。
そうすると、京都府児童ポルノ条例7条は、地方自治法14条3項によって合憲的に授権された罰則規定だということになるそうです。
条例は「法律の範囲内」でのみ制定することができます(憲法94条、地方自治法14条1項)。
法律(児童ポルノ禁止法)は「他人への提供目的の所持製造」に限って規制しているのですが、この条例は、購入についても規制しています。
このような「上乗せ条例」は、「法律の範囲外」として無効になるのでしょうか?
これについて徳島市公安条例事件(最大判50年9月10日)は、「条例が国の法令に違反するかどうかは、それぞれの( )、( )、( )及び( )を比較し、両者に矛盾抵触があるかどうかによって決する」としています。
では、本条例は、法律に「矛盾抵触」するのでしょうか。徳島県公安条例のように「しない」とされるのか。それとも、高知市普通河川管理条例のように「する」とされるのか(最判昭和53年12月21日)。裁判所の「あてはめの仕方」を見守りたいものですね。
法会話教室「徹志会」
[穴埋めテストの解答]
(1)①現に犯罪 ②証拠保全 ③相当な方法
(2)相当程度具体的、限定
(3)趣旨、目的、内容、効果