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松山赤十字病院、肺がん見落としか
日赤本社事故検討会が疑問視
2018年9月13日 (木)配信愛媛新聞
松山赤十字病院が2003年から「良性」とみて経過観察していた患者の肺病変が15年、他院の受診を機に肺がんと判明し、調査した日赤本社の医療事故検討会が「(肺がん診断で)十分な役割を果たせなかった可能性があり、責任の範囲や補償の検討が必要」と指摘していたことが12日、分かった。
松山赤十字病院はコンピューター断層撮影(CT)装置の検査を毎年行って「良性」とみていたが、画像を検証した検討会は07年以降の同院の判断を疑問視し、09年には専門診療科の精査が必要だったとしている。
患者は県内在住の男性。肺がん診断の直後に転移が判明し根治手術は困難と判断された。
松山赤十字病院は「診断できず、申し訳ない思いはあるが、非常に特殊な事例で医療過誤的な要素は全くない」とコメントしている。
松山赤十字病院や日赤本社の医療事故検討会の内部文書などによると、男性は03~11年に別の病気で内科に通っていた際、毎年、肺病変のほか、過去に治療した肝炎の経過観察のためにCT検査を受けていた。12年には肝細胞がんが見つかって治療を受け、以後も再発確認などのため毎年CT検査を受けた。
CT画像の読影は複数の放射線科医が行い、いずれも肺病変を良性と判断していた。検査を依頼した内科、肝胆膵(すい)内科の主治医は専門の呼吸器科に精査を依頼しなかった。
15年2月のCT検査でも良性と判断。
だが、男性が約2カ月後の4月に松山市内の他の病院の整形外科を受診した後、腫瘍マーカー検査などを受けると、肺がんの疑いがあると指摘された。
【日本赤十字社医療事故検討会】
医師や看護師、弁護士ら十数人で構成。全国の赤十字病院から医療事故などの報告を受け、カルテなどのチェックのほか、必要に応じて聞き取りを行い、院外の立場で検証する。調査対象を専門領域とする医師の意見が反映される。検討会の検証結果は参考意見であり、最終的には病院が対応を判断することとなっている。