先日、病院から帰ってきてからずーっと憂鬱な日々を過ごしている。
今までは3~4か月に1度の細胞診、1年に1度のMRI検査を続け、結果は毎回「変化なし。問題なし。」だった。
しかし今年の1月にいつものMRIを撮り、その結果を聞きに行った日から少し状況が変わってきた。
今まで担当してくれていた優しい女医のS先生が昨年末で退職されたという事は聞いていた。
今回のMRIを予約してくれていたのはS先生だった。
そのMRIを撮った1週間後、結果を聞きに行ったその日から、私の担当の先生は男性医師、I先生に変わっていた。
初めましてのI先生は、難しい固い表情で説明を始めた。
「MRIの結果ねー・・・ちょっとだけ腫瘍が大きくなってました。
大きくって言っても、3cmのものが3.2cmくらいになった感じ。
ほんのちょっと大きくなってる。」
そうですか・・・。
「まぁこれくらいならまだ問題ないだろうけどね、
この病気は症例が少ないから・・・結局全摘してみないとわからないしねぇ。
今までずっと経過観察で細胞診とMRI検査やってきたと思うけど、
実は・・・どっちも検査としてはあんまり意味ないんだよね。
でもほっとくわけにはいかないから、やれることをやってる感じ。」
えっ?検査の意味がない???
じゃあ今までやってたのはなんだったの?
・・・いや、そもそもなんでそんな事を私に言うんだろう。
患者の不安を煽ってどうするつもりなんだろうか。
私 「え、じゃあこれからどうすればいいんですか・・・」
I先生「それは全摘が一番の解決法だけど、今不妊治療やってるんだよね?
じゃあ早く妊娠してください。」ニコッ
なんだろう・・・・・今までの先生が優しすぎただけなのかな。
この先生、笑顔で話してはいるけど言ってる事は全然優しくない。
先生の言葉は、不妊治療と病気の両方で苦しんでる私をさらに追い詰めるだけだった。
I先生とは相性合わないかもなぁ・・・などとモヤモヤしながら、次の細胞診の予約を5月8日に取って帰った。
その後、早く妊娠せねば・・・と排卵誘発剤の注射を打ちに連日の病院通いをがんばったが、まったくかすりもせず。
毎月赤いものが来ては、泣いた。
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そして5月8日。
結局妊娠には至らないまま、いつものように細胞診を終えた。
I「結果は、何か異常が見つかったり再検査が必要になったら2週間以内に電話します。
まぁ、今回もいつもと同じだろうから電話はいかないと思うよ。
腫瘍がほんの少しだけ大きくなってる以外で他に何か自覚できる体の変化はある?」
私「うーん・・・あっ、最近急におりものが増えたくらいですかね」
I 「いつごろから?」
私「ここ最近・・・1か月前くらいかなぁ?」
I 「・・・腫瘍大きくなってきてるし、おりものも増えてきたか・・・」
と言って、I先生はしばらく(うーーーん・・・)と考えていた。
I「・・・じゃあもう一回、MRI撮りましょう。今度は造影剤入れて。」
私「えっ?!」
I「そのMRIの結果次第で、もしかしたらもう一度円錐切除をお勧めするかも。
さっきの細胞診の時に診たら、まだ取れるとこが少しあったからね。」
・・・いや、ちょっとまってちょっとまって。
また円錐切除って??
え、なに、これってあんまり良くない状況なの??
MDA(悪性)の可能性出てきたってこと???
円錐切除のワードが出てきたことで、かなり動揺した。
また病気が見つかった4年前に戻った気がして、すぐにあの時の恐怖心がよみがえった。
I「じゃあMRIの予約しておきますね。・・・あー、7月くらいまでいっぱいだなぁ・・・
まぁ今日細胞診したし、結果は何もないと思うから8月で予約とっておきますね。」
先生はMRIの書類を渡しながらどんどん話を進めたが、
この時の私の頭の中は恐怖心が邪魔して先生の話が何も入って来なかった。
MRIの予約が終わり、部屋を出る時に思い出した。
「・・・あっ、不妊治療は・・・?
不妊治療って、MRIの結果が出るまでやめといたほうがいいんですか?」
「いや、不妊治療は続けてもらって大丈夫です。
早く妊娠した方がいいし、止める理由がないので。」
「じゃあMRI撮るまでに、もし妊娠したらどうなるんですか?」
「その時は造影剤なしの単純で撮ります。
でも妊娠初期はMRIは撮っちゃダメだから、撮っていい時期に入ったら撮りましょう。」
「わかりました・・・ありがとうございました。」
たくさんの書類をもらって、ボーっとしながらこの日は帰った。