新型コロナウイルスを歴史に学ぶ(10話) 
コロナ後の地方創生を目指して    

伊能忠敬研究会東北支部長

元日本大学工学部講師・化学 

松宮輝明

 新型コロナウイルスは発生源、発生の経緯が未だ解らず、一度抗体を獲得しても再感染はするかも知れません。2,3次感染が予測されます。ニューヨークでの抗体検査や慶応大学の検査結果などから、実際の感染者数は当初予想されていた数の20倍以上であるとの報告があります。。 「地球温暖化」などの急激な環境変化により、人類に影響を与える「新たなウイルス」の発生が予測されます。強い病原性を持つウイルスに対しての防御が必要です。そして人命を優先し、コロナとの共存の道を探っていかなければなりません。

日本はどう変わるのかパンデミック(流行病)は、社会にどんな影響を与えることになるのかを考えてみます。 新型コロナウイルスのバンデミックは、経済に大きな影響を与えています。

特に、資本力が小さい旅館業や旅行業などは、3か月客が来ないと倒産すると言われています。政府も、日本政策金融公庫などを介して低利融資をしていますが、中小零細企業にとって、厳しい状況は、倒産と背中合わせです。

19世紀は産業革命で都市に多くの人が集まり労働者は感染し、流行病がまん延しました。衛生環境、労働環境に目が向けられ、「公衆衛生」という考え方が生まれます。

新型コロナウイルスにより「情報型社会、非接触型社会」への進展が進みます。すでに、インターネットやスマホで始まりさらに速度は速まります。会社に出勤しなくとも、3Dホログラムで遠隔地から会議に出席できるようになり、スムーズに仕事ができる社会があたりまえになります。

宅配はドローンでの無人配達となり、病院の診療も、スマホを使って医師の目視とデータ通信で行うという社会が来ます。

新たな生活の問題として、地方創生、教育制度(ギガススクール、9月入学)、自給率を上げる農業(スマホ農業)などが急務の課題です。 

新型コロナウイルスは、リモートワークの推進や時差通勤など都市の生活形態が変化します。 

日本全土の人口は1億2千余万で、3大都市圏に人口が密集しています。道府県別の人口と人口密度(1平方キロメートル中の人口)は、1位が東京都(人口、1400万人、人口密度、6,300人)、2位が神奈川県(920万人3800人)、3位が大阪府(823万人、4,631人)、5位が埼玉県(735万人、1,932人)です。14位宮城県(230万人、316人)、40位の福島県は(184万人、134人)、32位が岩手県(123万人、80人)、31位青森県(124万人、129人)です。事業所数は、1 位が東京都63万、2 位大阪府41万、4 位神奈川県29万 5位埼玉県25万、9位が千葉県19万です。

地方創生は「顔の見える政策」です。幕藩体制は地方都市として、政治、経済、教育を統制し、多くの優秀な人材を育て自藩に貢献しました。明治政府は廃藩置県で地方分権だった政治システムを一気に中央集権国家に変えました。

全ての政治を中央省庁が管轄する政治体制は、第2次大戦の敗戦まで続きました。戦後、マッカーサーの5大改革により 経済機構の民主主義化が図られました。

財閥解体、農地解放、教育改革は評価しますが、地方の中農は消滅しし、識者、文化人、経済人は姿を消しました。

池田内閣が1960年に所得倍増計画で太平洋ベルト地帯構想を打ち出し巨大な3大都市が誕生しました。新コロナウイルスの後の地方創生は、東京圏以外でも豊な文化的な生活を受けることが出来る国造りです。東北地方、福島県を豊な国にしなければならないと思います。

写真 新型コロナウイルスの発生した人口密集の東京圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)

(つづく)