お暑うございますぅ~。
この暑い中、FE 50mm F1.4 GMをα7R Ⅴに装着し、汗をダラダラ流しながらスナップ撮影に興じてまいりました。
大きく感じますが、3分の1はフードです。さすがGMレンズのフード。カチッとハマる装着感がいいし、先端がラバーになってるのもブラボー。お金かかってます(笑)。
ってことで、FE 50mm F1.4 GMのインプレッションはじまり、はじまり〜♪
何度か書いてますが、このレンズは「間違いだらけのレンズ選び2023」において、山田久美夫先生がボロクソいってたのでございます。
先生が気に食わないのは、口径食が大きいこと。玉ボケが画面周辺で「レモン型」になるんですよ。とーぜん周辺光量も落ちます。
周辺光量落ちはレンズ補正で低減できるので気にならないけど問題は玉ボケです。レモン型になるのはデジタル技術でも補正できません。
さっそく見ていきましょう。
1/60 F1.4 ISO100
ご覧のとおり、画面周辺部の玉ボケがレモン型になっています。
これを解消するには開放を諦めて絞らなければなりません。
さて、どれだけ絞ればレモン型が解消するか。
一段絞ってF2.0で撮影すると――
1/50 F2.0 ISO160
あら、早くもかなり解消しました。
まだ少し欠けてますが、十分に許容範囲。これならボケ量を大幅に減らすことなく、レモン型を回避できそうです。
山田久美夫先生がボロクソいうから、もっと酷いかと思ったけど、これなら「ふつう」じゃない?
いやGMレンズが「ふつう」じゃダメだろっていわれればその通りなんですが……口径食はレンズのサイズに直結するので、ソニーは大きくて重くなるより、小型化を優先したということなのでしょう。
もちろん性能を追求すべきところは、しっかりGMクォリティーになってます。
たとえば「玉ボケの中」を見てください。
拡大してみましょう。
↑F2で撮影した玉ボケです。
非球面レンズを2枚も使っているのに、このなめらかさ!
かつての非球面レンズは「年輪ボケ」とか「玉ねぎボケ」とかいわれて、玉ボケの中に年輪状の線が出たものです。ぼくは口径食より年輪ボケのほうが許せません。だって絞っても解消しないもん。
こんどはもう少し引きのカットでも試してみましょう。
1/3200 F1.4 ISO100
例によって玉ボケがレモンになってます。さらに口径食の影響もあって、ボケがザワついている印象も受けます。
これだけ見ると「これがGM?」と首をかしげたくなる気持ちもわかりますね。
ではF2に絞ると……
1/1250 F2.0 ISO100
とたんに改善しました。
ぼくの感覚では、ボケ量はこのくらいでもぜんぜんOKです。しかもF1.4で感じたザワつきも落ちつきましたよね。
この描写はとてもいい。GMの名に恥じないと思います。
ま、なんでもかんでも開放で撮りゃいいってもんじゃないってことですよ。むかしの人はよく「レンズは一つ絞って撮れ」なんていったもんです(笑)。
ではもう一段絞って、F2.8にしてみましょう。
1/640 F2.8 ISO100
玉ボケはほぼ「円形」といってよいでしょう。ですがボケ量は減少し、背景に電線が写ってるのもわかってくるので、このカットはF2で撮ったのがベストかと思います。
さっき開放で撮りゃいいってもんじゃないと書きましたが、そうはいっても開放がF1.4まであると絞りによる描写の変化を楽しむ余地が大きくなります。
その意味でF1.4は正義ですな。
つぎに逆光耐性をみていきましょう。
1/640 F2.0 ISO100
画面の右上に、夏の強烈な太陽が入りかけた、と~ってもイジワルなカット。
こんなの「意図」がなきゃ撮らない写真だけど(苦笑)、テストですからあえて。
ご覧のとおりフレアーが出ています。
ですが大きなゴーストがないのはいいですね。
ちなみにフレアーは現像処理で低減できることがあります。
たとえば上の写真を処理してみると――
ほら、だいぶよくなりました。
人物撮影だと、肌が硬くなってしまうのでこの処理は向きませんが、人物の場合はわざとフレアーを入れて「ふんわり」した写真にする「意図」を持つことが多いはずです。フレアーをうまく使うと幻想的にもなったりしますしね。
すいません、話がそれました。
真夏のピーカンで、2時間ほど撮影しましたけど(死ぬかと思った)上記のイジワルな写真以外で、FE 50mm F1.4 GMにフレアーやゴーストが出たカットは皆無でした。お安いレンズは逆光でもないのにゴースト出たりしますから(無印の35mmF1.8とか(汗))、さすがGMレンズです。
以上、簡単ですがFE 50mm F1.4 GMのテストでした。
さて、にわかレビュワー気分を抜けて、ここからは純粋にスナップ写真を楽しみましょう。
以下の写真はJPEG撮って出しではなく、基本現像処理をしています。
1/125 F4 ISO100
あったり前ですけど、F4まで絞れば、解像度バリバリ。α7R Ⅴの6,100万画素なんぞ、かる~く超えている印象です。
試しに中心部を拡大してみましょう。
全体の数パーセントまでトリミングしたのに、のれんの布地まで写ってる。α7R ⅤとGMレンズの組み合わせは最強ですな。
α7R Ⅴのダイナミックレンジも広くていいですねえ。撮りやすいです。夏の日差し直下ですから、軒下はかなり暗いんですけど、HDR撮影なんかしなくても現像でらくらく出せます。
って、まだレビュワー気分が抜けてないか(笑)。
1/1250 F1.4 ISO100
とろけるボケ。
このくらいアップだと、F1.4のボケにもザワつきは感じませんね。2線ボケ傾向もないし、いかにも高級レンズの描写。
レビュワー気分が抜けないので(苦笑)、前ボケも見てみましょうか。
1/50 F1.4 ISO100
おー、美しい。前ボケがいいレンズで撮ってると、ウキウキしてくるよね(笑)。
1/400 F1.4 ISO100
これ、なにげに玄人好みの写真かも(笑)。
ピントを合わせた中心の葉っぱが周囲から少し浮いて見えませんか? ボケによる立体感の描写を狙ってみました。F1.4だから撮れる写真ですね。後ボケも前ボケもなめらかですし、文句なし。
めっちゃ、いいレンズじゃん。
たしかに口径食はあります。F2.0に絞ればかなり改善しますが、ボケ量が少しでも減るのは嫌だという意見もございましょう。でもその代わり(?)、口径67mmで516gという扱いやすいレンズになっております。
そこいくと、だれもが認めるニコンの最高級、超高性能な「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」なんて、口径は82mmもあって、重量は驚きの1090gですからね。1キロを超える50mmを使い続けられますか?
ぼくはシグマの900gでも無理でした。
描写性能と軽量設計が高度に両立しているレンズ。それが「FE 50mm F1.4 GM」の正しい評価だと思います。
なんかソニーの回し者みたいになってきたので(苦笑)、インプレはこのへんで終了です。
ぼくは写真を撮るプロだけど、カメラやレンズのレビューは素人なので、拙い記事で申しわけないです。最後までお読みいただきありがとうございました。
えっ、GMレンズでノンちゃんを撮った写真はないのかって?
むふふ。それは今後のお楽しみってことで(笑)。
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こちらの作品も引き続きよろしくお願いします。
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