それで思い出した。
というか目に止まった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151001/15/teru-2010/e6/b9/j/o0375050013441129083.jpg?caw=800)
ぼくの仕事机にあるペン立て。文房具好きなもんですから、いろんなペンがワサワサ入っててお見苦しいのですが、一番奥にひときわそびえ立つ定規がございます。
手前のアルミ製は、いまよく使っている定規ですが、その後ろにある茶色いヤツ。
とりだしてみましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151001/15/teru-2010/bd/68/j/o0500015613441129082.jpg?caw=800)
こうなっております。
拡大してみましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151001/15/teru-2010/19/f4/j/o0500037513441129084.jpg?caw=800)
おわかりになります?
12in
と書かれています。
そう。これインチの物差しなんですよ。
それだけでもまあ、日本ではちょいと珍しいんですが、じつはこれ、ぼくのジーさまの定規だったのだ。たぶん戦後間もないころのだと思われます。
ぼくが高校生のころ(それだってもう、数えたくないむかしですが)、モノクロ写真の現像ってのをはじめてやったとき、印画紙のサイズが「インチ」だと知ったのでした。
日本は写真のことをアメリカから学んだから、インチがそのまま使われている。
へえ、インチかあ。じゃあ、印画紙を切り貼りするときは、インチの物差しで測ったほうが便利かなあ。
と、漠然と思いまして、当時住んでた田舎の文房具屋に行ったんですが、そんなもん売ってないわけですよ。
それでエンジニアだった親父にインチの物差しってある? と聞いたら、あったんですよ。親父の仕事机の、引き出しの奥に。
親父もすっかり忘れていたらしく、この定規を見ながらしみじみ、「ああ、これ親父(ぼくにとっては祖父)のだ。こんなの、まだあったんだなあ」と。
ジーさまは、東京の下町で小さな町工場をやっていて、たぶん戦後、GHQからの仕事で、なんかの部品を作らなくちゃいけなくて、インチで計ってたんじゃないかということなのでした。
へえ。
で、そのとき親父から借りて、いまだに、わたくしのペン立てに収まっているのでした。
という親子三代に渡る、定規物語(大げさな!)を思い出したのでした。
ちなみに、親父は健在です。形見ではございません(笑)。
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