金田一と明智小五郎 | TERUのブログ

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つれづれに

観ました? 月曜日にやってたTV。

観ましたよー。そりゃ観るでしょ。本格推理ファンとしては!

今回は、まだ若い金田一を、すでに名声を得た明智小五郎が、陰ながら導くという趣向が凝らされております。

江戸川乱歩と、横溝正史の競演!

ルパン三世対コナンくんみたいね(笑)。

この、一見「それ、どーよ?」的なアイデアは、今回おもしろいと思いました。

というのも、6、7年前に作られた同様の企画は、時代を現代にしてしまってむりやり感があったんだけど(配役も個人的にはしっくり来なかった)、こんどの物語は、ちゃんと昭和初期に設定しているところが、大変よろしい。やはり猟奇殺人には、昭和初期がよく似合う。

配役と、キャラの設定もよかったですね。

新しい金田一耕助は、山下智久。ジャニーズですぜ(笑)。どうも石坂浩二を引きずっているぼくには、最初少し違和感があったけど、観ているうちに、だんだん、これでいいのだって気がしてきました。石坂浩二の金田一耕助は、現代の若者から見たら、弱々しすぎるかも。

明智小五郎は、最初から最後まで、これでいいのだって思いましたね。演じたのは伊藤英明。ぼくのイメージの明智小五郎は、阿部寛の方が合ってるんだけど、伊藤英明もよかったですよ。かっこよかった。うん。

今回のへっぽこ刑事役は、益岡徹。なかなかいい味出してましたけど、まだまだ加藤武にはかなわないな。いや、加藤武が偉大すぎるので、相手が悪いです(笑)。

さて、肝心のストーリーですけど、おそらく犬神家の一族をモチーフにして作られたと思われる、オリジナルです。

本格推理モノというのは、もうトリックのネタが尽きているので、東野圭吾先生でさえ、「名探偵の掟」なんて変化球を繰り出すわけですから、まあ、過度の期待は禁物です。

そもそも、横溝正史の世界は、醜い人間の心をさらけ出すこところにあるわけですから、その意味では、ヒロインを演じた武井咲は、いい配役でしたね。

ただ……犬神家に似せて、むりやり作ったという部分はもちろんあります。厳しく見ればストーリーの矛盾もある。その辺を、どこまで大目にみるかは、人によって違うかな。

元祖であり本家である、横溝正史先生だって、「それはどうですか?」と思うところもあるんですよ。でも、先生の作風は、猟奇的な気味の悪さと、登場人物の醜聞ですからね。漂う重苦しさで、うまーく読者を騙しきってくれる。

だから、やはり横溝正史先生のオリジナルには、当然ながら届かない。ストーリーの巧みさも、猟奇的重苦しさも、どれも一歩劣る。

なーんて、いろいろ書きましたけど、ぼくはすごく気に入りました、このドラマ。

またこの配役で、ぜひ第二弾を作っていただきたい! と切望します。