選択と集中 | TERUのブログ

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つれづれに

シャープが、9月15日に創業100年を迎えたそうです。

失礼ながら、少し驚いちゃった。もっと若い会社かと思っていたけど、家電メーカーとしては、老舗と言ってもいい歴史じゃないですか。

で、創業100年を記念して、いろいろ式典を企画していたそうですけど、昨今の経営状況に鑑み、お祭り騒ぎは全部中止だそうです。

その代わりと言っちゃなんですが、社長が全社員に向けて、訓示を行ったそーですよ。まあ、その内容のダイジェストを見ると、訓示と言うより(訓示って、そもそも「教え示す」ことですから)、みんなで、がんばって行こうね! と、チームワークを確かめてるような感じですけど。

しかしまあ、経営というのは難しいもんですな。

以前は、多角経営なんてのがもてはやされて、家業以外のことに手を出して、失敗する会社が多かったわけじゃないですか。とくに投資に手を出して失敗するのが多いけど、投資は、多角経営とは、ちょっと違うよね。

そんなわけで、こんどは選択と集中なんてのが叫ばれたわけですよね。よーするに、家業に集中しろと。不慣れなことに手を出すなってことですよね。

そんでもって、シャープは、家業の液晶に集中した結果、創業100年の式典も止めなきゃならないほど大変なことになってる。

どーすりゃあ、ええんじゃ!

というのが、経営者にすれば正直なところじゃないですかねえ。そんなこと口にしたら、お金借りてる銀行から社長辞めろと言われちゃうんで、口が裂けても言えないでしょうけど。

牛丼の老舗、吉野屋さんも、それで一回倒産してますもんね。頑なに、アメリカ産のクズ肉を使った牛丼だけにこだわり続けて、いろんなメニューを揃える競合に負けちゃった。まあ、メニューを増やすのは、「多角経営」とは違いますけどね。

純粋に多角経営で成功してるのは、富士フォルムさんでしょうかね。あそこは、家業のフィルムが、あっという間にこの世から消えたんで、ホントに大変だったでしょうね。最大のライバルであるコダックは倒産しちゃいましたもんね(正確には、チャプター11を申告して再建中)。

富士フォルムさんは、フィルムを作る技術で、産業用の液晶フォルム(液晶の前に貼るヤツじゃなくて、中に組み込む高度な部品らしい)をお作りになっていて、それがたしか、世界シェアトップですよね。さらにフィルムを作る技術を応用して、化粧品を作ったら、これがヒットしてるんだそうです。富士フイルムさんの場合、多角経営と行っても、中途半端な気持ちでやってるんじゃなくて、家業の強みを生かして、べつの製品をお作りになったところがすごいわけですよね。

仕事柄、富士フイルムさんが大変だったときの話を聞く機会もあって、どこそこの事業所で、何人リストラにあったとかなんとか人づてに聞くたび暗い気持ちになったもんですが(巡り巡って、ぼくの仕事も減っちゃうんで)、最大の難局は、なんとか乗り切られたようで、人ごとながらうれしゅうございます。最近はデジカメでも元気がいいし。この調子で、さらに安泰と言えるところまでがんばっていただきたい。

で、話を戻しますが(まだ続くんかいと思った方は、この辺でチャンネルを変えてください(笑))、先のシャープさんは、いまその最大の難局、海で言えば嵐のまっただ中を航海なさっていらっしゃる。いや、シャープさんに限らず、日本の家電メーカーはどこも荒波を航海している。

選択と集中は失敗したときのリスクが大きすぎ、多角経営も中途半端にやれば必ず失敗する。となれば、どーすりゃあいいんでしょうね。

経営者でもコンサルタントでもないぼくには、どーしていいか、サッパリわかりませんが、よく言われるのは「デザイン」ですよね。イギリスのダイソンさんが、今期は日本で最高益を上げているそうで、それから考えても、製品のデザイン力って、やっぱり重要ではないかと。ダイソンさんの掃除機や扇風機カッコいいもん。

ハッキリ申し上げて、日本の家電はダサイと思うんです。ヨーロッパのメーカーは、カッコいいじゃないですか。その代わり操作するボタンとか小さくて使いにくそうだけど(笑)。

言い方は悪いけど、あちらのお国は、お客さまより、デザイナーが強いんじゃないでしょうか。オレさまのデザインしたモノを黙って使えばいいんだよ、お客は! くらいの勢いがあるようなないような。

日本は逆に「お客さま最優先」だから、デザイナーがいくらカッコいいのを考えても、そんなの使いにくいからダメって、オッチャンの上司に言われて終わり。なんてことが日々起こってるんじゃなかろうかと、勝手に想像しております。

そーいえば、韓国のサムソンなんかも、カッコいいですよねー。あそこは、優秀なデザイナーをどんどん採用なさってるんでしょうね。日本のメーカーも、いっそイタリア人にデザインさせればいいんじゃないのかしらん。

なんて、ホントに勝手なことグダグダ書いてますが、カッコいい家電がほしいなあと思う人は、日本にも多いはず(まあ、ぼくの希望なんですけどね)。日本のメーカーなら、カッコよく、かつ使いやすさも考慮した家電を作れそうですもんね。

なんにしろ、がんばっていただいて、景気を刺激していただきたいモノです。はい。