12th Floor: Sushi Bar

初めてこのシリーズを読む方は先にこちらもどうぞ!
英語だけのショッピングモール
今日は12階のスシバーを利用した。
入って中央に板さんを囲むカウンターブース。
これが店のほとんどに見えるンだけど、奥の窓際には4人用のテーブルがずらり。
左右の壁際にはブース席が並ぶ。ちょっと見、ハードロックカフェみたいな内装。
クロームとガラス、LEDネオンが黒を基調とした店内に輝く。
6時半という夕食には早いが、退勤時刻に重なる頃。
店内はとても混んでいたんで、まずは名前登録。
待ち時間は意外と短く、20分ほどで案内できるという。
そこで左手前にあるバーカウンターへ。
カウンターテーブルに来て驚いた。
なんと厚いアクリルの下はイケスというか水槽。
ヒラメやらタコだのが砂と砂利を敷き詰めた水底に漂う。
よく見るとボトルが並んでいる棚の壁も水槽だった。
これが表のコリドアから見える。
こちらは観賞用のキレイな熱帯魚(?)
金髪をポニーテールにして、白いスタンドカラーのシャツと
黒い前掛けをした一見シェフ風のカワエエオネエさんが注文を聞く。
ワシは迷わずバーボンソーダ。エリックはエイルを注文した。
飲み物が用意されるとここはキャッシュオンデリバリー。
これならスシバーを待ちくたびれて帰ってしまう客にも、
バーだけを利用する客にも対応できる。
もしかしてこの美人バーテンダーを目当てに通う人もいるかもしれないし。
その場で料金を払い、2ドルはチップとしてそのまま放置しとく。
このためにいつも1ドル札や5ドル札に崩しておくのも大事。
もちろん店の人に細かくして頂戴、と言うのもアリだし、
欧米のやり方に不慣れだったり、気の利かない客だと思われた場合は、
15ドルのおつりでも5ドル札の代わりに1ドル札で渡される。
バーにいる大半はスシを食べたくて仕方なく飲んでる風の客なんだけど、
1部盛り上がってるグループもいる。しょっちゅう来てるのかもしれない。
ワシらもなんと知り合いのカプルを見つけ、話し始めた。
聞くと今日が初めてだという日本人夫婦。
普段は広尾や麻布十番と言ったちょっと庶民的なところで飲んでるそう。
今日は日本でのカジュアル英語デビューだそうで、緊張気味とか。
ワシらの顔見て一気に和らぐ笑顔。
なんとなく周りも耳ダンボで会話に注意を向けられる。
エリックもいたので、日本人同士の英会話も結構スムーズ。
そうこうしてるうちに彼らの名前を呼ぶウエイターが。
こちらは東南アジア系のイケメン君だ。
テーブル席を待っていた彼らなので、よかったらいっしょにと言う。
え~今日は記念日かなんかじゃないの?と思ったけど、
ここで出来上がってしまうのもなんなんで、すかさずジョインすることに。
赤坂のアークヒルズが見える席に座ると、
先ほどのニイちゃんとは違う黒エプロンのウエイトレス。
I am Molly と書いた名札をしてるヤンキーネェちゃんだ。
メニュをくれて再びドリンクのお伺い。
ワシらはバーで頼んでたものをもうワンラウンド。
飲みながらじっくりメニュを見たいからね。
席についてバー側を見ると、右手側には酒とワインのセラーが並ぶ。
こいつはちょっと見に行って見るべと、ダンナの方が席を立つ。
奥さんは写真入りの華やかなスシメニュに釘付け。
ここには江戸前のにぎりはなく、すべてカリフォルニアスタイルのロール。
いろいろなソースやレリッシュのついた、四角い白いお皿に盛られてくるようだ。
なんか長方形のテーブルにキチンとフィットする整面と清潔感。いいね。
料理の飾り方はみなデザートのようでもあり、オブジェのようでもある。
色と立体感のオンパレード。
ピーナツソースと海老せんのついたアジア風のお稲荷さんもある。
これは相当のシェフがいるんだろうと舌を巻く。
料理の値段が8ドルから20ドルというのも、今の円高考えるととても安い。
きっとドル=90円くらいの設定で作ったメニュなんだろう。
今では1品1500円が最高値だ。ファンシーなスパイダーロール。
ソフトシェルクラブの揚げ物が入るはずだから、これはかなりお得。
絶対コレと、まずは計算高いワシのチョイス:p

海鮮サラダもいろいろだし、おつまみもいわしの骨のカリカリ揚げまであって、
これって居酒屋としてもいいんでは?
しかもエクストラチャージなしの先付けが供される。
毎日違う気まぐれメニュのようで、ワシらに来たのは飛びコとハスの一品。
なんか食べたことない組み合わせも、外国の和食みたいで面白い。
味はレモンとミントを利かせたマリネ風。いいんでね?
店内ではハワイのロイズよろしくハッピバースデも流れてきた。
店員が数人並んで、キャンドル立てたデザートプレートを捧げる。
他の客も何人かそちらを振り向き拍手。
マックの誕生日と同じくらい恥ずかしい。
ワシはここじゃなくていいからとエリックに呟く。
店内の席のあちこちでウエイトレスと客とのやり取りを目にする。
英語が堪能でもそうでなくても、ジェスチャーがモノをいう言語だと再認識。
しかも彼女たちは小型のホワイトボードも携帯。
きっと発音が聞き取れない客には、スペルで説明してるんだろう。
ケータイなどで言葉を調べる客もいるからね。
なんかちょっとだけ英語レッスン入っちゃってる。しかも必死。
食べるときのモチベーションはすごいよね?
スシカウンタブースでは、スゴイ速さで巻かれていくロールたち。
仕上げのソースをかけるときの仕草はまるでショウ。
トムクルーズの昔の映画『カクテル』を思い出す。
ソースの色は赤、黄、緑、オレンジ、紫と色とりどり。
それぞれギュッと絞れるボトルに入っている。
シソ、わさび、トマト、辛子、唐辛子、パプリカなど様々な風味のソース。
そのベースになってるのがマヨネーズだ。
それをスシの周りのデコレーションに使う。
醤油の小皿につけて食べる寿司ではなく、
あくまでもその飾りのソースをツケとりながら食べるロール寿司。
聞くとメインシェフはフレンチ。ひときわ背が高い。
それを取り囲むアジア系のアシストシェフ2人。
巻きとレリッシュの用意はどうやら彼らの仕事。
次から次へと並べる四角いプレートは、無駄なくカウンターの向こう側に並ぶ。
本部の工場である程度作って持ってくる材料ではなく、
ここで調整してくれてるのがわかるし、華やかな手さばきに見ほれる客。
どうやら巻きに使う揚げ物や天ぷらは奥の厨房から運ばれる。
そちらもぜひ見てみたいもんです。
さて食べ終わった所で会計です。
5品のロールとアペタイザーを頼んで、日本酒1本と泡の水1本。
4人で150ドルってまあまあかと思ったけど、円にしたら1万ちょい。
ひとり2500円ちょっと。ウソみたいです。
同じ感覚のスシバーに行ったら5000円くらいかなと。
ドル=100円の感覚が残るワシらにはこれってファミレスってくらい安い。
テーブル会計なので、担当ウエイトレスを呼ぶ。
日本でやる人差し指2本でバツを作るジェスチャーは通じません:p
カードにサインするように空気にサインする仕草ならわかります。
よく見るレジで立たされて会計を待つ風景がないのは清清しい。
まず先に会計分を払い釣りをもらう。
意味深に置かれたレシートブックに25ドルを挟み込む。
もちろん15%くらいのチップとして。
カードで払う場合はチップ額を書き込む欄があるのだが、今日はニコニコ現金払い。
端数はハズんでステキなサービスと時間に感謝。
大食いのワシらにはもちろん足りないけれど、
隣の飲茶も実は今日の目的なんで、これからそっちへも行くつもりです♪
クリスとケンの2人もそろそろ来る頃。
席を立つと日本人客の中にはケータイで計算してる人たちも目立つ。
どこまでもルールに忠実な日本人の英語レストラン風景でした。
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語句の説明
カウンターブース counter booth カウンターで囲まれたブース
コリドア corridor 廊下、通路
エイル ale ビールの一種、または一般的な呼び方
キャッシュオンデリバリー cash on delivery 代金引換払い
ワンラウンド another round 1杯目と同じものをみんながもう1度頼むこと
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