英語だけのショッピングモール | 英語は度胸とニューヨーク流!

英語だけのショッピングモール

$英語は度胸とニューヨーク流!

そのビルは東京六本木にある。
地下1階地上12階建て。
某中堅デパートが入っていたので、ガラスを多用したディスプレイに向いたファサードだ。

1階には両替所とビルへのエントランス。
ブレット式の回転ドアを抜けると右側に案内所と通貨両替窓口と催事場、
左側はファストフード店とカフェとなっており、正面に2階へと続くエスカレータ。
中央が吹き抜けなので下から上までがすべて見渡せ開放感があるし、
どこにどんなテナントが入っているかわかりやすい。
奥には地下への下りエスカレータと化粧室、4基のエレベータがあり、
隣接してPCコーナとコンビニ。ビルの裏側へ抜けられる。
催事場では日々様々なイベントがあり、外からの視線を誘う。
地下には大手スーパーとデリカテッセン。スイーツのコーナもある。
10階と11階は賃貸オフィスになっており、最上階はレストラン街。
屋上はグリーンの植わった庭園で中央がガラス屋根の明り取りとなっている。

ちょっと聞くと普通の雑居デパート。
例外なのが表示のすべてが英語で、スタッフも外国語しか話さない。
ショッピングや食事、滞在費はすべてドル建て。
両替所が必要なわけはこのせい。クレジットカードもドル決済だ。
いわば、日本駐留の軍施設と同じように、アメリカが再現されている。
経営はテナント方式をとるが、英語スタッフや広告に関して制限もある。

2階から案内しよう。
路面からの延長で、街を眺められるダイナーとパンケーキハウス。
奥にはイギリス式のハイティーを1日中サーブするサロンがある。

3階はいわゆる日本のお土産品コーナともいえる場所。
仕立て上がりの浴衣から和紙、漆器、といった伝統工芸から
某大手量販店が入り、細かな電化製品が安価に揃う。
ポイントカードも使えるが、タイアップ施設が配布するクーポンを利用する客も多い。
お洒落ではあるけれど、ほかの支店より高いわけでもないので利用しやすい。

4階には大手カジュアル衣料のショップが4店入る。シューズも1店ある。
普段、円で見慣れたプライズタグがドルなので、始めは計算にとまどう。
サイジングも日本のMがここではXSかS。
シューサイズもcmではなくUS表示。
店員は笑顔を浮かべ親切そうだが、日本語はほとんどわからない。
あちこちで四苦八苦して説明する姿も見える。

5階は英語スクール、料理教室、フィットネスジムが見える。
開放的な廊下にはカウンターバーやベンチもあり、
シェイクやアイスクリームを食べながらレッスンしているグループもいる。

6階にはヘアサロン、ネイル&ボディケアサロン、ドラッグストア、
その上歯医者も入っている。
在日外国人が主な顧客だが、英語で説明できる人にはオススメのスポットだ。

7階から8階はカラオケブースとゲーム機を設置。
大小様々な部屋がそれぞれ各国のテーマを持ち、
既存のカラオケボックスというよりパーティルームの集まりとなっている。

9階が小さな教会とロビー&テラス、防音処理されたバンケットルーム。
100人までのパーティが可能で、略式のウエディングや会議にも利用できる便利スペース。
もちろんクリスマスの礼拝や日曜日の集まりにも使われる。

10階と11階のオフィスビルには、地の利を生かしたトラベルエージェンシーや、
留学コンサルト、航空会社の窓口なども入る。
もちろんここからは各店により日本語スタッフもいるし、円も使えるかもしれない。
FX系オンライン銀行の窓口もあり、口座開設や両替もスムーズだ。
英語での商取引やショウルーム、法律関係のコンサルティングなど、
幅広い職種が各部屋を占めており、英語ビルならではのテナント選択。

12階はレストラン街。
バー、スシバー、飲茶、ビュッフェ、と気軽な雰囲気と六本木の眺めが楽しめる。
2階と12階の飲食施設ではすべて、強要ではないがチップをお願いしている。
従業員の給与システムに含まれるからだ。そのかわり値段も六本木値段ではない。
日本のようにレジでの会計ではなく、座席会計方式をとる。

顧客のターゲット層は外国人はもちろん、英語を習い始めた年齢から社会人まで。
英語に気軽に接したい、海外の疑似体験をしたい、持ち帰って使えないドルを使いたい、
そんな人たちのニーズを取り込む。
各階に気軽に休めるベンチやカウンターを設け、無線LAN環境を配備。
内外、上下の行き来がしやすいビルとなっている。
また値段的にもカジュアルを目指し、高級感より開放感をアピール。
英語が出来なくても、ドルかカードさえあれば施設の利用は自由だ。
輸入食品や洋楽のセレクションが豊富なカラオケ目当ての客も取り込んでいる。

英語を学ぶ、使う、そんな機会の提供だけではきっとやっていけないだろう。
しかし、種々雑多なテナントが入ること、値段を抑えること、ユニークな商品を扱うことで
買い物を楽しむ、雰囲気を楽しむ、話の種にする、そんな多目的なスペースを提供。
みなさんもぜひ、六本木に来たときにはここを目指してください~!

てな感じの想像を20年前にしてました…。

英語は度胸と愛嬌!
面倒でなければここをプチッと!