翻訳横丁の裏路地
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ブログを引っ越します

突然ではありますが、ブログを引っ越す事にいたしました。

新しいURLは以下の通り。

http://terrysaito.wordpress.com

ここは、放置するつもりです。

以上


iPhoneからの投稿

音声認識を翻訳ツールにする...JTF基調講演に出席して

昨日、日本翻訳連盟の平成23年度通常総会の中で、JTF会員でなくとも出席できる「基調講演」が行われ、参加してきた。

今回、Richard Walker 氏による「日英翻訳:音声認識技術が翻訳の生産性を変える」をテーマとした講演と知り、即、申し込みをした。実はかなり昔に、和訳時の文字入力を音声認識技術にて代行させられないかと試した事があったので、とても興味深いテーマだったからだ。

講演開始直後、Walker 氏がPCに接続されたマイクに向かって、普通に人と会話するような速さで英語を発話されていくと、スクリーンに映し出されたプロジェクター画面に音声認識された英文がどんどんと表示されて行く。

このデモンストレーションで見せつけられたその認識率の高さには本当に驚いた。98~99%の正確さだそうだ。もう、この時点で一昔前の「音声認識は使えない」と言う認識が完全に覆される。彼の使うソフトウェアは DRAGON というそうだが、実は Windows Vista/7 には音声認識ソフトが標準で入っているそうだ。(私はまだ確認してない)

当然、ソフトウェアの設定などのチューニングが必要になるのだろうが、それでも、この技術を使った翻訳の用語変換や訳語入力、PC作業のオートメーション化による作業効率の向上は、30~40%、若しくはそれ以上だそうだ。

余り細かくリポートしても仕方がないので、私が考えた事だけを以下にまとめておく。

・音声を利用するので静かな作業環境が当然必要となる。社内翻訳者のようにオフィス環境で作業するケースには向かない。
・発音が認識率に大きく影響するそうなので、余程ネイティヴな英語が話せる人でない限り、英文入力には使えないだろう。つまり、日本語入力に限定して利用すると言うスタンスが正しいのだと思う。
・一昔前の音声認識は使えないと言う認識は改めるべし
・ただ、チューニングはそれなりの労力を要しそうである。
・スタートレックのコンピュータの如く音声でPCを操る姿はカッコいい(笑)

私は取り敢えず、翻訳者さん達にこういう技術がある事を紹介するつもりです。

最後に、講演最後に Walker氏が来場されているであろう彼のクライアントに対してジョーク交じりに、「このような技術を使って大量な翻訳を短時間でしているからと言って、単価下げを要求しないで下さい。交渉には乗りません」というような趣旨の発言をされ、会場の笑いを取っていた。

ここはとても重要なポイントだと私は思う。

翻訳技術を向上させる為の技を、こうして皆にシェアしてくれているのである。業界の底上げをしてくれているのである。こんな有難い話はない。しかし、それが故に単価を下げられては、何人も二度と自分が編み出した翻訳技術や作業効率改善技術を口外しなくなってしまう。そんな翻訳会社やクライアントが存在しない事を祈るばかりだ。




iPadで日本に居ながら海外気分

外国語を学んだり、最新の言葉遣いを知る上で最高の環境とは多分、生活全てをその言語でしか出来ない環境に身を置く事だと思います。

だから、語学学習の世界では、海外留学の宣伝文句が踊る事になるのでしょう。

でも、日本に居ながらにして、極力同じような環境を作れないものでしょうか?

新聞、本、ラジオ、テレビなど、目から入る情報、耳から入る情報を極力外国語のものに置き換える…と言うのが1つの方法だと思います。

私の経験上、テレビが語学学習において大きな役割を果たしてくれるように思います。

理由は、テレビでは、そこで話されている聴覚情報の状況を視覚情報が説明している場合が多く、視聴者側は耳から入った言葉を理解する上で、視覚情報を元に推測し情報を補完して理解するというプロセスが、子供が言語を覚えるプロセスと一致すると考えるからです。

昨今はスマートフォンの普及が著しく、iPhoneやiPad, Arnold 携帯などを使って、海外のTV番組をライブで見ることが可能になっています。

私は iPhoneとiPadのユーザーですが、以下の3つのアプリを良く使用しています。

1. The Channer
2. SPB TV
3. NHK World TV

私の一番のお気に入りは1の The Channer です。色々なチャンネルを視聴できますが、私が良く観ているのは CBN News。機能が使い易いのもお気に入りの理由の1つです。

$翻訳横丁の裏路地-channer

3の NHK World TV は流石に本家のアプリらしく、画像も奇麗で安定していて安心して視聴できます。但し、著作権の問題で全ての番組が放送される訳ではありません。

2も色々なチャンネルを視聴できますが、少々画質が悪い。ただ、NHK World TVも観られ、本家アプリでは観られない番組も何故か視聴できます。中国語番組も多いので、中国語学習される方には良いと思います。

これらのアプリは、iPad/iPhone を Landscape にすれば画面一杯に放送が表示されます。特に iPad での視聴は、もっぱら海外放送専用のTVを持っているような感じで素晴らしい。

$翻訳横丁の裏路地-landscape

これらのアプリを積極的に使い、学習言語の情報の嵐の中に身を置いてみましょう。ただ放送を流しっ放しにしておくだけでも良いでしょう。普通、TVってそんなもんですよね?
耳に留まった情報があれば、見入って聞き入る。

これで貴方も疑似海外生活!?

<上記1の説明ビデオ>


応募資料はあなたの鏡

翻訳者募集をした。一通りの形がついたので、そろそろ色々と気づいた事を記事に起こしたいと思う。

募集へ応募してもらう形でコミュニケーションを始め、履歴書や職務経歴書などのやりとりを経て選考作業進んで行く訳だが、何と言っても一番最初に自分を売り込む武器となるのは、やはり履歴書や職務経歴書だろう。

今回はそこにスポットを当て、私が疑問を感じたり、素晴らしいと感じた事例を紹介したい。

翻訳に限らず、仕事への応募の際にほぼ必ず提出する履歴書と職務履歴書。

インターネットが普及した現代では、電子ファイル化したそれらの書面を電子メールで送信するケースが多いだろう。

応募した先ではそれらをどう見ているのか?…一つの見方の例として捉えて頂きたい。

・いきなり履歴書と職務履歴書を送り付ける。

積極性と捉えるべきか?。世間では意外と普通に行われているのかもしれない。でも、私はハッキリ言って面食らった。個人情報の取り扱いに神経質になっている企業も多いので、意見が分かれるところかもしれない。

・履歴書等のファイルにパスワードを掛けている。

情報セキュリティに配慮されているな…と好印象を持った。ただ、そういう対応をされている方は全体の5%くらいだった。

しかし、中には…

・そのパスワードの連絡を忘れている。

という方もおられた。勿論、こちらからワザワザ問合せたりしない。中身を閲覧できず書類選考さえ出来ないので削除。

・履歴書や職務履歴書に漢字の間違い、スペルの間違いがある

見つけた時点で選考対象外。自分を売り込む資料の中身さえチェックできないようでは、仕事を依頼する事に不安がある。

・職務履歴書が40頁にも及び、全ての職歴と担当した翻訳案件名が羅列されている。

これは論文か何かか?と見紛う程の分量。細かく見る人は多分いない。
全て知らせたい…と言う気持ちは分かるが、何を売込みたいのかが即座に把握出来ない。サマリー部とファイルを分けておくと、かなり印象が違う。

・ダラダラと長い文章で説明書きされている

「私は~~年から~~で~~
を担当し、この間に~~……」
ハッキリ言って読む気にならない。斜め読み程度で判断。
簡潔にまとめるという能力がないとか、読み手を意識した文章作成能力かないとも判断されるので、翻訳の質に反映されるのでは?とも思う。

・最新情報にアップデートされないまま送付されている(年齢など)

同じものを使いまわすのは理解できるが、送付前に見直す等の処置をしていないと思われる。
応募行為に慣れ切っている応募者と思われるが、指先にまで神経の行き届いた仕事が出来る人とは思えない。

・メールアドレスに付与されている名前が、何かのハンドルネーム?

せめて、ビジネスとプライベートでメールアドレスに付帯させる名前表記は分ける方がいい。

・メールアドレスに付与されている名前と履歴書等の名前が違っている

旧姓と実名?、もしくはペンネームか何か?本人が応募しているのかどうか怪しく感じる。

・1メールに複数名の応募

ご夫婦で応募?
郵便でもあるまいし、なぜ同一電子メールで一緒に応募されてるのか不明。まさか、メールアドレスを家族で1つしか持っていないとか?…なんて考えるとIT技術に不安を感じる。

・メールアドレスに実名表記がないのに、メール本文には名字だけ

個人情報を晒さない為なのでしょうか?。同苗字の方もいる訳で、内部での情報管理上、少々面倒。有名人なのかな?とも思いましたが、いずれ履歴書などを提示頂くので、その意味もあまりなさそう。フルネームをメール内に書いて頂いた方が相手を認識し易い。

ざっと記憶に残っているのは、こんな内容。少々物事を斜めに見ている感じに取られるかもしれないが、シビアに見てるところはこんな感じかもしれない。機会があればご自身の資料も見直してみると良いですね。


iPhoneからの投稿

初心者は翻訳支援ソフトに手を出すな

道具は使い方を間違えれば凶器になる…これは翻訳支援ソフトにも当てはまると最近つくづく思う。

翻訳支援ソフトを使った翻訳は、各文章にブツ切りにされ、表の中で翻訳を進めて行くようなイメージになる。

この時の人間の脳内のイメージは、文書ではなく文章が強く意識される。

文節単位と言う見通しの悪さが、そういう意識に落とし込む。まさに、「木を見て森を見ず」の状態。

百戦錬磨の翻訳者であれば、既に翻訳品質に対する考え方もしっかりとしており、色々な策を講じて、文書としての翻訳品質を確保する工程を追加するだろうが、初心者の方だと、いとも簡単にこの「一行翻訳屋」スパイラルに落ち込んでしまう傾向があるようだ。

前後関係を考えていない。文書全体の流れを把握していない。

そんな状態で翻訳された完成品が、誤訳の山を築くのは目に見えている。翻訳者としての信頼性を大きく傷付け、次の仕事を失うかもしれない。

翻訳支援ソフトを使う意図と目的と方法を明確にし、自分の翻訳作業の一部分に使用するのだと言う明確な意識と、それを自分自身で制御出来る強い意志がない限り、翻訳支援ソフトには手を出さない方がいいと、最近した経験から考えている。

よって、翻訳の
「初心者は翻訳支援ソフトに手を出すな!」
と言っておきたい。



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