ラ・ストッパを飲んでいるとワインは料理あってこそだと実感してしまう。
彼等の位置するエミリア・ロマーニャ州は『美食の街』とも言われます。
皆様すぐにでも思い出して頂けるものでも、パルマの生ハム、パリムジャーノ・チーズ、モデナのバルサミコ酢もここの名産品。一面にはイタリアでも1位2位を争う田園地帯が広がり、米が多く収穫されるのでリゾット料理でも有名。更には豚足のソーセージ、ザンポーネもここの名産品。もう、とにかく美味しいものの豊富さではイタリアNO.1かもしれません。
料理の特徴はと言えば、オリーブオイルよりもバターを多用すること。生ハムや豚足、ゼラチン、そしてラグーソースというように脂を使った料理、肉料理がとにかく多い。そんなこの地域の食文化に合わせて存在するのがランブルスコのような発泡性の赤ワイン。日本では馴染みにくい赤の発泡ワインですが、バターを多用したり、脂の美味しさを楽しむ肉料理と合わせる時に赤の微発泡ワインは最高の相性を見せます。この地域で赤微発泡ワインが根付いているのは当然のことなのです。
さあ、ラ・ストッパについて。オーナーはエレナ・パンタレオーニ。
2010年のガンベロ・ロッソで最も優れた栽培家に選出されたこともある実力派。資産家である彼女のワイナリーの歴史は古い。カンティーナには70年代のボトルも残っている。(当時のワインはロッソ・ボルドーなんて今では考えられないエチケットです)
カンティーナ周辺の土地もほとんどが彼女の所有地で広大な放牧地まであります。彼女の所有地はすぐに解ります。彼女の所有地から向いの丘を見れば緑と茶のしま模様。そう、除草剤を撒いている畑は緑と茶のしま模様に見えるのです。それに対して彼女の所有地は緑一色。すぐに判別できます。
醸造責任者はジュスト・アルマーニ氏。
色々な造り手から慕われる先生のような存在で各地域での試飲会でも彼の周りにはいつも人だかりで質問攻めに遭っています。素晴らしいピノ・ネロを醸すアルベルト・アングイッソラもジュストを慕う1人。エレナとは非常に相性が良いようでお互いに信頼しあっている。
(ジュスト氏は自身でデナーヴォロも運営)
1973年にカンティーナを購入し、現在では全ての区画で有機栽培が徹底されている。敷地内には小川も流れ、飛び地になっている各畑はそれぞれ異なるミクロクリマを持っていて、それらをブレンドすることで全体のバランスが取れるのだと言う。
1982年からは一切の除草剤の使用を中止した。
畑は木製の杭が打たれ雑草が生い茂る。ルーコラ、豆類、タンポポが一面に咲き一面黄色と緑。葡萄樹は活き活きとして活力がみなぎっているのを感じさせる。ところどころに存在する急斜面の畑の下部では土が流され葡萄樹ごとさらわれる事があったが、1978年以降は無耕起が採用され雑草の根が土を固定してくれるようになったのだと言う。本当に自然で緩やかな空気が漂う風景。
彼等の大きな特徴の1つが熟成期間の長さ。
地下セラーには大きな樽が何十個も並び、ボトリングされたワインも飲み頃を迎えるまで天井近くまで何段にも重ねられている。こんなにも大量のボトルが並んでいるカンティーナはフランチャコルタでも見たことがない。
物凄い量のボトル
ラ・ストッパのワインはこの地域の食文化を反映した豊かな果実の厚みを存分に楽しめるものだが、それだけではない。一見甘みさえ感じさせる果実の詰まった味わいに見落としてしまいがちだが、その奥に見事なバランス感覚を保っている。
(グットゥルニオはコッリ・ピアチェンティーニ・ロッソに変更)
果実という一見子供っぽいものの奥に実に大人なバランスを保っている。
飲み進むほどに果実ではなく、熟成と酸、甘みのバランスの取れた余韻(しかも長い)に気付くでしょう。表向きの美味しさで満足せず、ぜひバルベーラとボナルダのエレガンスを感じてください。彼等の目指しているこの土地にしか表現できない美味しさはエミリア・ロマーニャの食文化をワンランク上に持ち上げてくれます。
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