第2章 昭和の記録~奇跡その5~

<高校生時代>

 

第2章 昭和の記録~奇跡その4~はコチラ

 


楽しくて充実した中学校生活を終えて

ナルハラは地元の公立高校に入学しました

もちろん美紀ちゃんも一緒でした 

(過去形ですが......笑)

入学時は、中学校時代の先輩が何度も

バレーボール部に勧誘に来てくれました

でも、私はもうバンドに夢中だったんです

迷わず軽音楽部へ入部

高校での楽器は

ギターからドラムに変わっていました

スティックを握りしめて

軽快にリズムを刻む爽快感

 

 新しい世界が無限に広がる感覚・・・

新鮮な気分で、勉強、部活

そして彼女との時間で 満たされた日々

そんな1年生の夏に、高校で最後の?

危機&奇跡が 起こったんです



今回こそは、ダメかも・・



当時の私たちの海と言えば

琴引き浜でした

鳴き砂で有名な、美しい浜辺です

まだ原付免許が取得できる年齢ではなかったので

その時も自転車で琴引き浜に向かいました

友人たち3人で少し雲行きの怪しい中

汗をかきながらペダルを漕いで海を目指しました

しかし「その時」は

台風の影響で遊泳禁止に なっていたんです

浜辺には数人の人影しか見えず

何ヶ所かで赤い旗がはためいていました

危険なのは、心の中ではわかっていました

だから、沖に出ることはせず

波打ち際で遊んでいたんです

浜辺で大きな波にのまれて

波打ち際でゴロゴロと転がされて

3人でゲラゲラ笑っていました

「うわっ、また来た!」 

「きゃははは!」

若さゆえの無邪気さ満開で
波打ち際で遊んでいたはず だったのに・・・

いつの間にか

3人とも沖に流されてるじゃないですか!

「あれ......?」

3人が同時に気づいた時には

浜辺からもう10メートルほど離れていました

「やばい!戻らなきゃ!」

3人で声を掛け合いながら

浜辺に向かって必死で泳ぎました。

友達2人は流れに乗ったのか

私の視界からどんどん離れて いって
砂浜近くまで行ったのが見えました

「よかった・・」

でも、そんなことを考えたのは一瞬で

僕は全然進んでいないじゃないか!!

腕と足を力の限り動かして泳いでも

浜に近づく気配がありませんでした

今で言う「離岸流」だったん でしょう

上から被るような大きな波はが来ること無く

息ができたのが幸いで

溺れることはありませんでした

でも——体力は、確実に奪われていきました



もう無理だ・・・



本当に、そう思いました

小学校の時、天橋立で 溺れた時に似た感覚

あの時も、こうして諦めかけた



浜辺を見ると

友人の2人が 何か叫びながら

手を振ってくれているのが見えました

声は聞こえませんでしたが、

その姿が勇気と力になったのは間違いありません

「まだだ!諦めるな!」

諦めかけた心を再度 奮い立たせて

無我夢中で、手と足を動かし始めました

その時——。

何て言っていいのか、 表現が難しいんですが
見えない力が、 引っ張ってくれた感じ。

グイン!

そんな感覚がありました

体が、急に前に進んだんです

気づいたら・・・・

目の前に 砂浜があるじゃないですか!!

「着いた!?ホントに??」

砂浜近くになると、波も 大きくなって

またゴロゴロと 転がされました

水も砂も、かなり飲み込みましたが

 2人の友人が駆け寄ってきて

 引っ張り上げてくれました



「大丈夫か!?」

「ナルハラ!しっかりしろ!」



浜辺に這い上がって、 砂の上に倒れ込みました

荒い息を整えながら、 空を見上げました

雲の中から覗いた青い空が、眩しかった

久々の——見えない力に 助けられた

という感覚

この時、小学校と中学校の時の 奇跡が

ブワーっと頭の中に 蘇ってきたんです



天井からの落下

天橋立での溺水

道路の真ん中での転倒

そして今回・・・



小学校と中学校の時は、

全然気にもしていませんでした

でも、少し大人になった高校生にとって

今回のことは さすがに感じるものがありました

何か別の力で、命を 奪われようとしているけど

 しっかりと守られている

そんな確信が、心の中に芽生えました



この時はまだ、これから大学に 入って

今後の人生を左右する

大きな怪我をすることになるとは

思ってもいませんでした



高校生活は、充実していました

美紀ちゃんとは1年生の時に別れましたが

すぐに 新しい彼女と付き合うことになりました

バンド活動も続けて

仲間たちとライブを 重ねました

ドラムを叩きながら、

「俺の人生、これからだ!」

本気でそう思っていました

でも・・・・

人生は、予測不可能ですね



別れた美紀ちゃんとは

また約40年後に再開することになりますが

その話はプロフィールのプロローグくらいに

出てくるでしょう



次章 番外編に続く

 

番外編は、美紀ちゃんと別れた原因と

それが今でも私の生き方・考え方に

大きな影響を及ぼした話になります