以前、マリア ジョアン ピリスについての記事を書いた。あの時ピリス氏は引退を考えており、日本に来るのは最後だった。
しかし彼女は自分が弾きたい曲を自分の望む場所で演奏したいと望み、再び日本で演奏する事になった。
私がピリスが好きなのは、彼女の演奏は天に通じているからだ。
幸運にも今回も演奏を聴きに行くことが出来た。
そしてその瞬間を目撃した。
気がする。
ぽろろん。
まず、ピリスが鍵盤に指を置いて演奏を始める、その瞬間の音が素晴らしい。
他とは全然違う。
何が違うのか。
天にノックして届く者かどうか、その違いであるように思う。
天に届いたら、返事が返ってくる。
それは恩恵と表現できるかもしれない。
天に届くから、宇宙が震え、共振する。
そして宇宙から返事が返ってくる。
返って来た瞬間を私は見逃さなかった。
ある演奏中に彼女の身体に雷が落ちたようになった。
あ！今！
エネルギーがどっと入った！！！
目撃できた。
やっぱり、そういう事だよね。
ひとり納得。
結局のところ、私はあなたに問いかけたい。
あなたは人に認められるようになりたいか？
それとも天に宇宙に認められるようになりたいか？
或いは、眼力のある人物に認められるようになりたいか？
その人の生き方が演奏に出るし、聴く側にも出てくる。
その合作がその場の雰囲気を作り、降りて来たエネルギーの共振が起こるかを決める。
だから結局のところ、いかに自分を整えているかに尽きる。
自分の心は純粋だろうか？
いつでも正直でいられているのか？
身体を整えているのか？
そして思い出した。
ピリスのコンサートを聴いた4ヶ月後に身体の変容が起こった事を。
ある臓器が劇的に反転して、それ以来慈悲の次元の空気を吸えるようになった。
勿論私の日々の修行や鍛錬の所以でもあるだろうが、覚醒しているピアニストのピリスの演奏を聴いたからでもあると確信している。
聴いたことのない方は是非に聴いてみて欲しい。
あなたの身体にも変容が起こるかもしれない。
