『認知症ケアの倫理』第7回読書会レポート③ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第7回読書会レポート③

2022年4月14日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第7回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

第7回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第7回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

 

 

「17歳で母をがんで亡くしたが、医師のところに行ったときには末期で、当時は告知してはいけないと言われていた。母には自分はがんなのかと何度も訊かれたが、言えなかった。かといって全部話すというのも難しい。その人の状況がわからないし、余命何年といっても人によって違う。(医師にすべてお任せでもなく、患者に丸投げするのでもない)中道というのは本当に難しい」

 

「以前の仕事で、アメリカの有名企業とのジョイントベンチャーの企画が上がった。素晴らしい話だと社内は推進する方向に傾いたが、社長は『何か引っかかる』と言って自分の兄に相談をした。兄は大企業の社長だったが、『お前はバカか。そんなうまい話はない。やめとけ』と言ったそうだ。社長は兄の助言に従ったため、企画は流れてしまった。情報は大事だが限られた人間関係では限度があるし、同調圧力もあり、よくわからないところで物事が決まってしまうことがあると思う。最近では社外取締役が重視されるが、それもこういう風潮を危惧してのことではないか。仲間内の情報だけではなく部門外の人の意見を聞くことも大事だ。弟に対してそのような助言をした兄も、後日大きな事故を起こして裁判を起こされ、現在も係争中だ。自分に過剰に自信を持ちすぎていたのではないか」

 

「『本を作りたいけれど、いくらぐらいかかりますか』ということをよく訊かれる。本といっても10万円ぐらいからできるものもあれば1000万円ぐらいかかるものもあり、内容や体裁などによってまったく違うのでひとくくりにできない。だが、自分の知らない世界のことに対してはこのような質問をしてしまうものだ。医療は特にそうなのではないか。以前に医師が『医者って何でもわかると思われるけど、わかんないこともあるから』と言っていた。だけどしょっちゅう『先生、これってどうなんですか』と訊かれてしまうらしい」

 

「専門職だとそうやって訊かれてしまうことはあると思う。大雑把に訊くのではなく、自分の知りたい答えを得るための適切な質問を工夫しないといけないと思う」

 

 

【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:5月20日(金)20:00~21:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

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