第10回読書会レポート③
『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第10回読書会のレポートのつづきです。
相手の気持ちに注目するという話が70ページに登場します。気持ちに目を向けずに表面的な部分だけに対応していても、うまくいかないことが出てきます。気持ちに注目しなかったことで失敗したケースや、注目したからこそ気づいたことなどについて話し合いました。
自分の気持ちに余裕がないと人の話も聴けないので、心の成長が必要だという意見がありました。
仕事仲間と親子ほど年が離れているという参加者もいます。20代の仕事仲間には人生経験がない分、わからないことも多いそうです。その一方でZOOMの使い方やPCの操作を尋ねるとすぐに教えてもらえるため、補い合えているそうです。それぞれの世代のよいところを大切にし合っているということです。
感情的な物言いをするスタッフがいて、別のスタッフが「あの言い方には耐えられない」と言って、もめそうなときがあります。参加者の方は、「そういう物言いをするスタッフにも、その人なりの言い分や考え方があるはず」と考え、悪口を言う代わりに、感情的な物言いをするスタッフの考え方を解説し、どう受け止めていったらいいか、理解していったらいいかを一緒に考えるようにしているそうです。
この方が話を聴くときに気をつけているのは、まず相手に全部話してもらうことです。最後のほうになって何を言いたいかがわかる場合が大半だからです。だいたい20分か40分かかるのですが、そこまで聴いていくと、本当に言いたかったことが出てきます。だから、そこまでは口を挟まず、「この方は何を言いたいんだろう」と思いながら聴くようにします。本人が決断する力を持っているので、こちらから決めつけることはしません。相手が言い切って、ふっと息を吐いたところから質問をしていき、相手の言いたいことを見極めます。話を聴き続けているときは、全然知らないことが出てくるので、百科事典をめくっているような感覚だそうです。自分の考えや思いはどこかに置いておきます。解決策は本人が持っていると信じます。
話をたくさん聴くことで、しんどくて煮詰まってしまうときには、非日常を味わっているそうです。旅行やドライブなどに出かけて、日常から完全に離れるようにします。