第10回読書会レポート② | 寺田真理子オフィシャルブログ

第10回読書会レポート②

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第10回読書会のレポートのつづきです。

第10回読書会レポート①はこちらからどうぞ。

 

 

アクティブリスニングについては68ページの訳注で説明されていますが、援助者がやりがちな、よくある失敗のパターンとして次のようなものがあります。「仕事に自信をなくしたので辞めたい」と相談を受けた場合の対応例です(日本メンタルヘルス協会の基礎コースのテキストから簡略化して紹介しました)。

 

「芸能記者質問型」……「何か意地悪されたの?」「変な人がいるの?」などと矢継ぎ早に質問を浴びせるタイプ。相手は尋問されているような気分になってしまいます。

 

「過保護同意型」……「大変だよね、わかる、わかる」と簡単に同意してしまうタイプ。相手は「そんなに簡単にわかるものか」と反発を覚えます。

 

「お節介な助言型」……「お給料をもらってるんだから、もう少し割り切ったら?」「上司に相談してみたら?」などと勝手に助言を与えてしまうタイプ。相手に依頼心を植えつけてしまいます。

 

「冷静な学者型」……「思うように成績が上がらないからだろう」「仕事の結果が出ないからあせっているんだろう」と勝手に主観で決めつけてしまうタイプ。相手を不快にさせてしまいます。

 

「うるさい説教型」……「仕事はそんなに甘くない」「仕事があるだけいいと思え」といきなり説教をしてしまうタイプ。相手は心を閉ざしてしまいます。

 

「能天気なごまかし型」……「明日になったら気が変わってるよ」「飲みに行けば気が晴れるよ」とごまかすタイプ。相手は「話しても聴いてくれない」と思い、あきらめてしまいます。

 

それぞれのパターンについてお話ししたうえで、このような失敗に陥らない共感的な理解の方法として、「相手の言葉を繰り返す」「話をまとめる」「気持ちを汲む」というアクティブリスニングを紹介しました。