出版記念トークショーレポート⑥ | 寺田真理子オフィシャルブログ

出版記念トークショーレポート⑥

出版記念トークショーレポートのつづきです。

 

出版記念トークショーレポート①はこちらからどうぞ。

出版記念トークショーレポート②はこちらからどうぞ。

出版記念トークショーレポート③はこちらからどうぞ。

出版記念トークショーレポート④はこちらからどうぞ。

出版記念トークショーレポート⑤はこちらからどうぞ。

 

ここで話題は、パーソンセンタードなリーダーの人物像に。以前、パーソンセンタードケアを実践している人として思いついたのが『源氏物語』の光源氏でした。六条院に女性たちを住まわせていた頃、お正月用の晴れ着をそれぞれの女性にプレゼントとして用意するシーンがあります。その色合わせなど、一人ひとりの女性にぴったりで、性格までも考えたうえで選んであるのです。それだけ一人ひとりのことを知らないとできないことですよね。「光源氏って、パーソンセンタードだったんだなあ」と感じたものです。

 

では、パーソンセンタードな「リーダー」は……ということでご紹介したのが『鬼平犯科帳』の鬼平です。というのも、文庫版15巻に登場する「蛇苺」というエピソードに、こんなシーンがあるのです。日頃よく仕事に取り組んでいて結果も出していた部下が、大事な場面で失態を演じてしまいます。自らを責め、詫びる部下に対し、鬼平はこう声をかけるのです。

 

「気にいたすな。お前ほどの者に落ち度はない」

 

このひと言で、鬼平が部下の普段のしっかりとした仕事ぶりを見ていること、そんな部下の仕事ぶりを高く評価していることが伝わってきますよね。この箇所を読んだとき、「なんてパーソンセンタードなんだ!」と感動したことがあるので、この機会に紹介させていただきました。

 

パーソンセンタードなリーダーを目指す方は、『鬼平犯科帳』シリーズを熟読するといいかもしれません(笑)