格差⑤格差を生き残るヒント | 寺平シュウコウ新聞 -Teradaila Shukou Times-

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箕輪町議会議員 寺平秀行 オフィシャルブログ

結局のところ都市一極集中で、地方との格差はどんどん広がるのでしょうか?

人口減少や高齢化。田舎だからさびれる一方だと思ったら、必ずしもそうではありません。

65歳以上の人口が過半数を超えてさらに過疎化が進んでいるにもかかわらず元気なまち、それが徳島県上勝町です。
人口は1,696名、高齢者比率が51.91%。過疎化と高齢化が進んでいます。なのに・・・。

私は町議時代、上勝町に視察に行ったことがあります。
山奥も山奥、上伊那でいうと伊那市長谷とほぼ同じ環境です。

その上勝が元気!

葉っぱ(つまもの)を中心にした新しい地域資源を発掘したからです。

日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、栽培・出荷・販売する農業ビジネスをまちを挙げて展開したところ大成功を収めたのです。
私が視察した際には、全国のつまもののシェアは上勝町が90%だったのです。

この農業ビジネスが成功するまでは上勝町も急速に衰える一方でした。
そこに一人の農協職員が立ち上がります。
何かまちおこしできることはないかと考え、山にある葉っぱを売ったらどうだろうとひらめきます。それが大成功を収めました。

葉っぱの注文が入ると街の防災無線で
「○○の葉っぱの注文が入りました!」と流すわけです。
そうすると、早い者勝ちで地域の老人が葉っぱをそろえてきます。
町が注文を引き受け、地域のお年寄りが注文に応じて商品をそろえます。
町全体がひとつの会社です。

防災無線を商売に使っちゃうんだ…
やはり、この辺の機動力というか発想力というかが、すごいです。

視察の際、その農協職員は
「町長と行けるところまで行こうと話しているんですよ。
やってみてダメなら引き返せばいい」
と話していたのが印象的でした。

初めから成功すると見込んでいたわけではない。
きっと詳細に計画を詰めていたら上勝の成功は起こらなかったでしょう。
防災無線を商売に使うなんて、まともに考えたら許可が下りないでしょうし。
今はタブレットになっているみたいですが。

この成功は上勝だけの特殊なものでしょうか
格差時代を生き残るヒントが上勝の奇跡にあると思います。