株式市場はタカハシ・シナリオに沿って動いている。 | 寺平シュウコウ新聞 -Teradaila Shukou Times-

寺平シュウコウ新聞 -Teradaila Shukou Times-

箕輪町議会議員 寺平秀行 オフィシャルブログ

 アベノミクスで株だ、債券だ、為替だと
国民総資金運用時代

がやってきたイメージですが、
一般に自治体も基金について法律で資金運用が義務づけられていることは意外と知られていません。


 地方自治法241条2項に「基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用しなければならない。」と定められています。


 たとえば東京都資金管理方針。
ア当座預金、イ普通預金、ウ通知預金、エ別段預金、オ定期預金、カ譲渡性預金、キ譲渡性預金現先、ク外貨預金(先物予約付)、ケ国庫短期証券、コ債券現先(買い現先)
以上の金融商品で運用することになっています。


 また長野県の公金管理基本方針では国債や地方債など確実な債券で運用することになっています。



 となってくると、現在進行中のアベノミクスに対する相場を
自治体関係者はある程度把握しなければならないわけです。


 自治体が株式投資するわけないのですが、株、債券、為替が密接にかかわりあっている以上、感覚を養っておかなければならないわけです。


 僕はかつて証券会社に勤務しておりまして、意外にもその時の経験が
地方政治の場面でも役立っていたりします。というわけで、少し相場について本日はまとめたいと思います。

(参考程度に読み進めてください。投資は自己の判断で)


 目下、

株式市場は「タカハシ・シナリオ」

に沿って動いています。


それは元官僚・高橋洋一氏が著書「日本経済の真相」で述べていて、
「円安にすれば日経平均が上がる」

というもの。


単純な理論、と言うなかれ。


具体的には統計的に円が1ドル70円台の時は日経平均は7,000円、
1ドル120円の時は18,000円をそれぞれ記録していました。


だから、1ドル100円になれば

13,000円~15,000円に落ち着く

というシナリオです。
(もっともタカハシ・シナリオと名前は、僕が勝手につけたんですけどね。)


 驚くべきは、この本が出版されたのは2012年1月で
当時は1ドル70円台、日経平均は8,500円前後だったこと。
この時点で、今日の為替、株価を的中させているのだから、凄い。


為替に連動して株価が決まるならば、
では為替レートはどう決まるか、という疑問がわいてきます。


高橋氏は
「日本の円の量を米国のドルの量で割ると、為替レートが計算できる」
と述べています。これは、別名ソロスチャート。
ちなみに円の量というはマネタリーベースのこと。


以上がタカハシ・シナリオ。


では実際に計算、計算。電卓でぴっぽっ・・・


 日本のマネタリーベースは2013年4月現在149兆6千億円
米国マネタリーベースは2012年末の2兆6400億ドル


(日本のマネタリーベース)÷(アメリカのマネタリーベース)=1ドル56.7円??


あれ、現状が説明できない・・・。


では日本のマネタリーベースを異次元の金融緩和が行われた後の
2014年末の270兆円で計算してみよう。


すると!

150兆円÷2.64兆ドル=1ドル102円!


って、今の為替水準!!


つまり、今の為替水準は日銀の異次元の量的緩和を織り込んでしまったとも言えます。


どういうことがおこったのかというと。


円高基調ではドル売りの先物と外国人からは円買いが生まれますが、逆に
円安基調にふれると、ドル買いと円売りが生じて、それが経済実態を超えた勢いになっていると予想されるのです。


ここで為替取引について例を挙げて説明しますね。

たとえば、100万円あったとします。
これをどう投資して、利益を上げるか。


今1ドル100円で、来年確実に1ドル50円と見込まれる場合、
手元にドルが無くても先物(ドルを借りてきて)でドルを売ります。


1ドル100円で1万ドル(日本円で100万円)売却。


借りたものは返さなければならないので、
翌年、予想通り1ドル50円になれば、
1ドル50円で1万ドル(日本円で50万円)買い戻し。
これで、50万円の利益が出るわけです。
でも相場が逆になれば、損失が生まれるので注意。


 今回は異次元の量的緩和で、
来年末には1ドル110円とか、120円とか観測が出てきたので、
一気にドル買い(ドル高円安)が進んで、
それがさらに円安を生む循環になったと言われています。


資金運用の運用先は主に株式と債券です。


株価が上がれば、債券を売却して株式に投資。

(債券価格は下がるので利回りは上昇)


債券価格が上がれば、株式を売って債券に投資。

(債券価格は上がるので利回りは低下)
そこに為替が絡むのです。


ちなみに東京株式市場の1日の売買代金は約3兆4千億円。
円の1日の取引量は2010年4月現在3127億ドル(約31兆円)。
世界のヘッジファンドの運用額の総額が、今年3月末時点で2兆3750億ドル(約237兆円)。
200兆円を超える運用資金が、利益を求めて世界を徘徊しているわけです。


最近の株価の乱高下を抜けて再度、日経平均16,000円を目指すには、
市場に新たなインパクトが必要だと思います。

次の一手、
それはずばり、

消費増税の延期。


平成24年度の公的年金の運用の黒字額が株高を受けて過去最高の10兆円規模になり、年金積立金の取り崩し額よりも運用益の方が上回ったとのこと。

 1年延期しても公的年金の財源は確保されたはずです。

景気回復を確かなものにして税収アップ、財政再建を目指した方が得策と思います。