あー、明日から選挙なのに電話作戦ってどうやるんだ!!とお悩みの選挙参謀のために書きました。 | 寺平シュウコウ新聞 -Teradaila Shukou Times-

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箕輪町議会議員 寺平秀行 オフィシャルブログ

東京都議会議員選挙が告示されます。都議選は単に一地方選挙ではありません。首都の選挙だけあって影響も大きいものがあります。


 選挙を手伝っていると必ず聞かれるのが
「電話作戦ってどうやるの?」
ということ。


 選挙期間中は戸別訪問による投票依頼が禁止されます、買収防止ですね。


 そこで街頭演説、集会などと合わせて重要なのが、電話による投票依頼です。


 本日は選挙に初めて出馬する新人の皆さんのために
すぐに使える電話作戦マニュアルをまとめてみました。
きっと役に立つと思います。


 まず、そもそもなぜ電話作戦を行うか。
ほとんどの陣営では単なる投票依頼だと思っているはずですが、
違います。


 電話作戦は毎日行う世論調査」です。
この世論調査で分かるのは、候補者の得票です。
現時点で何票とれるのか。何票足りないのか。
電話作戦で集めたデータは嘘をつきません。


 この電話作戦にはさらに重要な役割があります。
それは「有権者の政治参加」です。
有権者に候補者の政策決定に参加していただくわけです。
簡単なアンケートを用意して、それに答えていただきます。
それを毎日集計して政策化したり翌日の街頭演説に生かすことができます。


電話作戦は政治を変える最大の武器なのです。


今回は、後援会名簿が整備されていない新人候補向けということで
電話帳を使った作戦をまとめます。


用意するもの
①電話機(代表電話以外)
②情報カード(はがきサイズや、名刺サイズ)
③ペン
④集計表


さあ、電話作戦開始!
ステップ
①名乗る
②投票を依頼する
③投票を決めた候補がいるか尋ねる←重要!
④簡単なアンケートを実施する←重要!
⑤カードに◎○△×、話したことをそのまま記載。
⑥電話参謀が毎日集計、票読み


さらに解説

①「○○選挙事務所の●●です」一番最初に名乗りましょう。勧誘の電話と間違われないためです。


②「このたびの選挙に○○が立候補しています。ぜひ応援していただきたく思い電話いたしました」


③ここからが重要です。「投票はもうどなたかに決めましたか?」と尋ねるのです。もちろん、②で好反応の場合は尋ねる必要はありません。

④身近な問題についてアンケートをします。できれば、地域で話題になっている問題で有権者が「はい」か「いいえ」で答えられるものがベター。


「今、○○高校の統廃合が問題になっていますが、賛成ですか、反対ですか?」
「●○地区ではバス路線が廃止される計画がありますがいかがですか。行政が赤字を補てんして存続してほしい、廃止はやむを得ない、その他」


 地元を二分する問題だった場合、論争になることがあります。その場合、政策担当者に代わるか、候補者本人から電話するように伝えましょう。もちろん、その日か次の日には候補者から電話するようにします。
(まれに相手陣営が候補者の行動を縛るためにわざと粘るケースもありますので注意。「明日の午後3時に事務所に行くから候補者に合わせろ」といった明らかに選挙運動の中断を狙った無理な要求には政策担当者か上級役員が対応し、選挙後に候補者が会える等の約束をしましょう)


とにかく、アンケートの目的は有権者に政治参加へ向けて行動を促すことであることを意識しましょう。


⑤さて、電話を切ったらカード化します。
 カードは、表面が情報面です。相手の名前、電話番号を記入します。選挙後に住所や職業、出身校など追記していきます。
 相手の名前が分からない場合、電話帳の名前を記載し、「●○○夫さん(奥様?)」「●○○夫さん(息子?)」など、電話に出られた方の特徴を記載しましょう
 裏面はアプローチ履歴です。日付、アプローチ種別を書きます。電話作戦は「T]。選挙後訪問した場合は「V]など。


 そして、③の反応を記号で書きます。
「投票してくれそうだな」という反応なら◎もしくはA。
「いい感じ、投票してくれるかも」だったら、○もしくはB。
「う~ん。分からないな」だったら、△もしくはC。
「明らかにダメ」だったら、×もしくはD。

 次に会話内容をそのまま書きます、相手の口調で。
「うちの息子が○○高校通っているから、統合されると困るのよ。」
「バス路線廃止?そんな絶対困るよ。家のばあさんが使っているんだ。」
「うちは昔から●●党だからと入れないよ」などなど。
後日いろいろなヒントが見つかります。

⑥毎日集計します。◎○△×の数を集計します。
アンケートの結果は、毎日簡単なミーティングをするのをお勧めします。
候補者にとって、カードをどんと見せられるより、
電話スタッフと話すほうが、問題の雰囲気をつかむことができるからです。
電話スタッフは候補者にとって、目であり耳であり口なのです。


票読みの方法
①地区ごとに◎○△×のパーセンテージを出します。
②◎○は自分の得票率と考えます。
 ×は相手陣営の得票率と考えます。
 △は何割かは自分の陣営、何割かは相手陣営の得票と考えます。
 △のうち何割が自分の得票と読むかは、ここは経験とカンです。
③たとえば、
◎5%、○10%、△55%、×30%の場合。
自分が15%、相手陣営が30%です。
(相手陣営というのは、自分以外の候補者の合算なのでこの数字だけ見て自分が不利とは限りません)
△のうち、何割かは自分の得票として合算します。(計算法は企業秘密。ここは各選対の参謀がしのぎを削る部分です)


 さて、ここまでが電話作戦の概略です。選挙に初めて出る新人にとって参考になればと思います。ベテランの方には当たり前のことだと思われるかもしれません。


 いよいよ、参議院選挙ではインターネット選挙運動が可能です。
僕は大きな可能性を感じています。
電話作戦で得た「生の声」を候補者が毎日発信できるからです。


この電話作戦で多くの候補者が、有権者の生の声を背負って議会に登壇することを願っています。