科学、Scienceの話。
私は、大学の物理学科なるところを卒業した。
もう40年近く前だが。
面白いと思って入った物理学科だったが、難しくて越えられないハードルも多数あった。
そういう専門的なことのほかにも歯切れが悪いことがあった。
それは「物理って何するの?」と素朴な質問をされたときに、まともな答えを返せたことがなかったのだ。
生物は「いきもの」じゃん、
化学は物質の性質なんかを扱うし、
地学は地球のこと、宇宙のこと・・・
生物は「生き物の科学」
化学は「物質の科学」
地学は「地球の科学」
じゃあ物理は?
何を扱う?
何の科学?
ほら、あれだよ、力とか、テコの原理とか、電流とか、オームの法則なんかあったし・・・
そんなモヤモヤした捉えどころのないことしか言えなかった。
だから物理って何をあつかうの?
そこに、一言で答えることができないでいた。
ようするに、自分で明確なイメージを持っていなかった。
物理学科を卒業して、もうすぐ40年だというのに。
それが最近になって、ようやく一言で言えるようになった。
先日もブログに書いた野村泰紀先生のYoutube動画を見て学んだことがきっかけ。
では、物理は何を扱い、何を科学するのか?
それは
「この世の、ありとあらゆるモノの動きを扱う」
「運動を科学する」
ということ。
気がついてみると、何と言うことはない。
そういうことなのだ。
力が働くと運動は変化する。
そのあたりに気づいて解明したのがニュートン。
電気を持ったものがあって、それが動くと電流になる。
電気の性質、動くとどうなるか、この分野を切り開いたのがファラデー、まとめ上げたのがマクスウェル。
と、こんな風に科学の巨人、物理学の天才達が、モノの動きを科学していって打ち立てた学問が物理学。
これについて詳しく述べようとすると、込み入った話になって長々としたものになるので、今回は止めておく。
いずれにしても、私がこれまで歯切れが悪く、モヤモヤしているところの霧が晴れた感じがする。
うん、だから、アインシュタインが言ったように、動いているヤツは時計の進み方が遅くなって良いのだ。
大学生の時に、ここまで理解が進んでいれば、もう少し先に進めたような気がする。
量子力学をスピリチュアル的にとらえる人もいらっしゃるようだが、どうぞご自由に。
私そちらのお考えには全く興味がありません。
ようやくイメージがはっきりした、といっても20代の自分に戻ることはできない。
60代に入ってしまって、大学生の時の保てば良かったイメージを今さら気づいたのは、いささか遅すぎるし間抜けな話ではあるけれど、何も気づかずにこの先生きていくよりはずっとましなのかもしれない。
いろんなところで、いろいろな方が仰っている通り、今日は人生で一番若い日なのだから。
あらためて物理とか自然科学の奥深さ、この宇宙が摩訶不思議な存在であることに気づけたのだから。
また、いろいろなことに気づける、楽しそうな予感しかない。