✨ Jacobo & María Ángeles 工房訪問レポート ✨
—— 地元の伝統を守り、未来のアーティストを育てるアレブリヘスの聖地
オアハカ州サン・マルティン・ティルカヘテにある「Jacobo & María Ángeles」は、世界的に知られるアレブリヘス工房は、ディズニー・ピクサー映画『リメンバー・ミー』の制作スタッフが数年間学んだことでも知られる、世界的に有名なアレブリヘスの工房です。
1973年にハコボさんのおじさんによって創業されて以来、伝統を大切にしながらも革新を続け、世界中にファンとアーティストを生み出してきました。
今回は、アトリエでハコボさんとマリアさんご夫妻にインタビュー。
彼らの人生や作品にかける想い、そしてこれからのビジョンをじっくり伺いました。
「日本の“おもてなし”や仕事の丁寧さは、私たちの工房のモデルにもなっている」と話してくれて、日本からの取材をとても喜んでくださったのが印象的でした。
素材と技法の進化
もともとは紙を使って作られていたアレブリヘスですが、現在は地元に自生するコパルの木が主な素材に。
この木は成長が早く、オアハカの気候にも適しているため、工房では約15年前から計画的な植樹活動も行い、持続可能な制作体制を整えています。
使われる自然素材は、当初の5種類からなんと42種類にまで拡大。
今では、伝統的な染料に加えてアクリル絵の具も取り入れ、耐久性と鮮やかな表現力を兼ね備えた作品が数多く生み出されています。
メキシコの暦と想像の動物たち
アレブリヘスは、メキシコの20日周期の暦を背景に、20種類の動物が1日ずつ象徴として存在するという考え方に基づいてデザインされることも。
さらに、サポテコ文化に由来する独自の動物観も取り入れられ、作品に深みと意味が加わっています。
工房では「1本の木から1体」を彫り上げ、乾燥には4~5か月もの時間をかけるほどの徹底ぶり。完成までに数名の職人がかかわることもありますが、1人で最初から最後まで仕上げる作品も存在します。
デザインは専属のアーティストが担当し、例えば「亀と鷹」など象徴的な動物を組み合わせた、コラボレーション的な作品も次々と誕生しています。
地元を支えるアーティスト教育の場
この工房は、ただの制作現場ではありません。
地元の若者たちに技術を教え、アートで生計を立てる力を育てる教育の場でもあります。
ここで育った職人の中には、独立して自身のブランドを立ち上げ、世界中で活躍する人も。
村やメキシコ全体のアートシーンを豊かにし、世界に送り出す拠点として、大きな役割を果たしています。
工房を訪れると、職人たちが黙々と手を動かす姿が印象的で、空間全体が創造力に満ちていました。
「伝統を守るだけではなく、次の世代に繋いでいくことが大切」—— そう語ってくれたハコボさんとマリアさんの言葉が心に残ります。
このアートがどう生まれるのか、現地のリアルな空気と共に、後日しっかりお届けします!
発表をお楽しみに。