アランダスにあるDON NACHO蒸留所を初見学してきました。
「ドン・ナチョ」は1983年創業で元々はアガベ生産会社として創業。
ナチョは、イグナシオの意味(呼び名)だそうです。
2003年から自社のアガベを使用しテキーラの製造がスタートしましたが、アガベ生産の70%は他社への販売で、日本でおなじみの有名なテキーラ蒸留所も、ドンナチョ社の畑から購入しています。
今回は、製造責任者のドン・パテーニョさんの案内で、アジアマーケットの営業をしている国分さんファミリーに通訳していただき、蒸留所を見学してきました。
蒸留所内では、なぜか鳥の声がよく響いている!と思ったら、鷹の鳴き声を流して他の鳥の侵入を防いでいるそうです。
アガベは平均7年ものを使用。
マンポステラ(圧力鍋)は合計5つあり、
25トンx 2個 20時間、50トンx 3個 15時間105-110° で蒸しあげています。
1週間で50トンのAGAVEを消費し、平均 60-70kgの大きめサイズ。
蒸された後は、糖度20-38°になります。
80kgのアガベでだいたい10Lのテキーラを作ります (Premiumラインは120kgで10L。これはヘッドとテールをカットする割合が多い為)
蒸された後は、5段階のシュレッダーでで絞り糖度12°のアガベジュースに。
バガスは自社で肥料にかえてから畑に戻しています。
ちなみに、ここの仕込み水はアランダスの綺麗な井戸水をフィルタリングして使用しています。
蒸留所に隣接する畑に井戸があり10,000トンのタンクで保管されています。
創業時から使用している独自の登録商標済の酵母を使い、ステンレスタンクで72時間発酵。
蒸留もステンレスの蒸留機を使用しています。
銅の香りがつかないよう、あえてステンレスをセレクト。
LABOでは、ガラスのフラスコで蒸留器と同じ製法になるものを作り、モスト、わ蒸留して日々ヘッドとテールの割合などを研究しています。
樽の貯蔵庫は、非常に天井が高く、風が通るため温度調節が必要ないそうです。
ここではアメリカンホワイトオークの新樽を使っています。
ふわふわした発泡スチロールのようなセルロース(Selulosa)を使い、製造工程の間4回にわけてフィルタリングしています。
1) Ordinario
2) テキーラ
3) 樽に入れる前
4) 樽熟成後
セルロースは3回まで再利用し、熟成別に使うものをわけて香りが混ざらないようにしています。
ボトリング工場も施設内にあり、
1分間36本のボトルを作ることができる。
テキーラでボトルを洗う際は 1200瓶あたり6Lのテキーラを使用。使用後は捨てています。
全ての工程を見学した後はテイスティング。
◆プレミアムライン◆
ブランコ
スムーズ。フレッシュ。柑橘系の香り。ロックかストレートに向いている
レポサド
10ヶ月。香りはバニリン強い。カカオ。香りはとても甘かったけど味は甘くはなかった。スパイシー。でもまろやか。
アネホ
20ヶ月。香りはアプリコット。樽の香りがしていて、辛かった。味がタンニンが強い。甘く無い。
20ヶ月。香りはアプリコット。樽の香りがしていて、辛かった。味がタンニンが強い。甘く無い。
◆レギュラーライン◆
ブランコ
テキーラらしいツンとする感じ。アガベのフレッシュな香り。緑っぽい。カクテル向き
レポサド
甘苦い。
プレミアムラインは、来年から日本での発売を予定しているそうです。
蒸留所は敷地も広く、とても清潔できちんと管理されている印象でした。
意外に少ないテキーラらしいテキーラの味わいを大切にしていって欲しいです。
アテンドしてくれた国分さんファミリーのみなさん、ありがとうございました。