グアダラハラ/ロスアルトス地方のアガベ生産をしていて、
ドン・フリオやシエテ・レグアスなどの名門ブランドにアガベを供給していた、
歴史あるアガベ農家から生まれたテキーラドンフラノ。
テキーラ村、バジェス地区にもともとあったオレンダイン家のひとりによって設立された、
歴史ある蒸留所を手に入れました。
今回は、8月の日本来日の際に大変お世話になった、
ドンフラノのオーナーセルジオに会いにテキレーニャ蒸留所へ行ってきました。
まず、広い敷地にビックリ
ここでは、ドンフラノ以外にも、最近日本での発売が開始する「アソムブロッソ」や、
「T1」「Lapis」など10ブランド以上を委託して作っています。
倉庫には、たくさんのブランドの在庫が山積みに
アメリカやヨーロッパへの出荷がほとんどとのことですが、
ものすごい量ですね。
歴史ある蒸留所だけあり、
メキシコ初の銅製の連続式蒸留器も残っていました。
もともと、野菜やフルーツ・穀物ではないものからお酒をつくるのはめずらしく、
それだけでも、テキーラは特別なお酒と考え、
大地の恵み、太陽の光をたくさん浴びて育ったアガベは、他の植物にない、
力強さを持っていると考えています。
アガベの状態に非常に気を使っているので、
今回訪問した際は、今年の梅雨が長引いたため、
アガベが水っぽくなってしまうという理由で、稼働を止めていました。
現在テキーラ作りは、資本は大きな会社の資本が入り、
「ブランド」としてのイメージで、世界的に市場が広がりつつありますが、
そんな中でも、ファミリーテキーラの位置を大切に、
あくまでも手作りにこだわった、「顔の見える」ブランド。


ブランコは、とことんアガベの香り・味にこだわり、
アガベに負担がなく、自然の状態を行かせる製法で作り、
本来のアガベの魅力がたっぷりつまったピュアな味わい。
私は、シリーズの中で一番好きな味です。
蒸留したものを、60日間ステンレスタンクで寝かせることで、
味を落ち着かせ、非常にバランスの良い仕上がり。
ヘッドとテールを通常のテキーラの倍カットしているので、
雑味がまったくなく、かなりクリアなテキーラ。
アガベも、標高2000m以上で造ったものしか使わず、
ロスアルトス地区でも、かなり高い位置で生産されたもの。
7年~13年育成した中から、もっとも大きなアガベを選定しています。
発酵は、自然酵母のザイモモナス菌と、
味を落ち着かせるためにワイン酵母を使用して、
バランスを保っています。
加水していないため、テキーラ本体のアガベらしい味がして、
ストレートでも、カクテルにしても美味しく味わうことができます。
レポサドは、フレンチオークで8ヶ月間熟成していますが、
アガベの香りを活すため、香りを残した状態で、
テキーラらしいスパイシーさを感じられる味わい。
あえて、辛みのもとになるアガベの皮を残してつくります。
アネホは、樽の香りを最大限に生かしたため、
エクストラアネホに匹敵する3年間熟成。
贅沢ですね~。
どちらも、フレンチオークを40%、
アルマニアックの中古樽を60%のものをブレンド。
一切メローイングをせずに、
ポートワイン・シェリー中古樽をフィニッシュに使っているので、
かなり複雑で、深みのある味わいになっています。
樽の貯蔵庫も見せていただきましたが、95列、4500樽が保管。
2ヶ月に1回置き換えをしているそうです
ボトルデザインがリニューアルされたばかりの、
日本初お披露目となった「インペリアル」は、なんと5年熟成。
CRTの規定で、残念ながらアネホ表記になってしまっているのですが、
スムースで深みのある味わいは、他にはない高級品。
サンフランシスコの品評会でテキーラ最高点の97点をとり、
その後、記録は塗り替えられていないそうで、
世界的にも大人気のテキーラ。
蒸留所を見学した後は、テイスティングタイム。
ずらっと並んだテキーラを、フリースタイルで飲めるということで、
みんな大興奮
まずは、幻のテキーラTRES QUATORO CINCO(トレス クアトロ シンコ)でサルー。
一時期10万円以上の高値が付いていたという超高級ライン。
11年育成のアガベを使い、低圧アウトクラベで加熱。
ザイモモナス菌とワイン酵母で発酵し、
銅製とステンレス製の単式・連続式蒸留を組み合わせたもの。
名前の通り、あるマルマニャック樽3年熟成を30%、
アメリカンオーク樽4年熟成を40%、
アルマニャック樽5年熟成を30%という非常に贅沢な味わい。
ボトルデザインも美しく、ボトルの中にはサボテンの実(ツナ)のモチーフも。
私が気になったのは、ドンフラノのセカンドライン。
よりカジュアルに、アガベの味をストレートに感じられるように・・・と作ったブランド。
レポサドが好みの味でした。
ここまでこだわったテキーラ作りをしているのに、
現在は、より素晴らしいテキーラ作りを目指して、
アトトニルコに新蒸留所を建設中です。
2014年にオープン予定で、色々と試作を重ねている状態ですが、
斜面を生かした、ワイン作りでよく用いられている、グラビティシステムを導入予定。
作業工程の流れに沿って、重力で移動できるようになっているので、
とことん負担が少なく、アガベを大切にすることができます。
テキーラの製法では最近少ない、
タオナ(石臼)やバガス(アガベの搾りかす)を使用したり、
19種類の厳守をブレンドして、様々な香り、味を試作したり、
常によりよい商品を提供することを目指しています。
そして、今回テイスティングさせていただいた、
セカンドラインの輸入も待ち遠しいです
つづく
グアダラハラ市内編は
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Jose Cuervo Express編は
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クエルボ蒸留所・前編は
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クエルボ蒸留所・後編は
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テキーラ村La Capilla Cantina編は
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LOS OSUNAテイスティングセミナー編は
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