WONDER-LOVE Ever -122- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



サトシがナスからジョウロを上げると、庭の隅がガサゴソする。

「おはよう。」

サトシの声に、ノアが首を伸ばす。

「来た!」

「来た?誰?」

ブランもノアの頭の上から顔を出そうとする。

「トラさん!」

ノアがニッと笑って、庭に下りて行く。

サトシが入れ違いにリビングに入るその足元を、ブランがスルッと横切る。

「トラさん!虎次郎さ~~~んっ!」

ノアが嬉しそうに虎次郎に駆け寄って行く。

「お、元気にしてたか?」

虎次郎がノアの頭の匂いをクンクンと嗅ぐ。

「うん!ブランにも会えた!」

「そうか、よかったな。」

虎次郎が庭の真ん中で丸くなると、駆け寄って来たブランが、きょとんと首を傾げる。

「トラ……さん?」

「そうだよ、ブラン、この猫が虎次郎のトラさん!」

「とらじろうのトラさん……?」

虎次郎の目をじっと見るブランに、虎次郎がニヤッと笑う。

「なんか……知ってる人のような……。」

「あ、そうかも!ちょっと天界の匂いがするよね!」

ノアも虎次郎の背中をクンクンと嗅ぐ。

意外そうに二人を見た虎次郎が、クククッと笑う。

「テンカイ?なんだそりゃ、美味しいのか?

俺は魚の匂いの方が好きだぞ。にぼしもいい。あれは渋い大人には恰好のおやつなんだ。

ああ、団子の甘い香りもいいな!」

「まさか、トラさん、柴又の生まれとか?」

虎次郎がニヤニヤ笑いながらブランの匂いを嗅ぐ。

「おや、知ってるね?この子は。」

ノアが首を傾げる。

「知ってる?何を?」

「映画好きの猫なんて聞いたことないよ。」

ブランが呆れたように虎次郎を見る。

「人間の見るドラマってやつはなかなかいいのが多いからな。」

「ドラマ?トラさんドラマなの?」

「ドラマじゃないよ。映画から名前取ったのかって聞いたの。」

ブランがノアの上に乗っかり、右耳を甘噛みする。

「え、そうなの?」

ノアは右耳を噛まれたまま振り返る。

「知らん。付けたのは俺じゃねぇ。あいつだからな。」

前足の上に頭を乗せた虎次郎が、

縁側に座って三人をニコニコ見ているサトシに視線をやると、

ブランとノアもサトシの方を向く。

「さて、俺は寝る。うるさくするなよ。昼寝の邪魔だ。」

「大丈夫だよ。僕たちうるさくないし!」

「子供ってのは、いるだけでうるさいんだよ。」

虎次郎は言葉とは裏腹に、優しい表情で目をつぶる。

「お前らも寝ろ。猫は昼寝が仕事だ。」

虎次郎が抱きかかえるように、ノアの背中に前足をかける。

「そうなの?いいね、猫って!」

「そうかぁ?僕はもっと遊びたいけど!」

しかし、そう言ったブランの口から大きな欠伸が漏れる。

「ブランだって眠いんじゃん。」

バツが悪そうなブランが、フンッと顎を上げる。

「……猫の仕事だからだろ?」

静かに寝入った虎次郎の隣で、ノアとブランも重なるように体を丸くし、目をつぶった。