WONDER-LOVE Ever -121- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



ショウが出て行くと、サトシは二人を廊下に下し、脱衣所に向かう。

いっぱいになっている洗濯機の蓋を閉め、ボタンを押す。

グッ、グッと洗濯機が動きだし、ノアとブランがサトシの後ろに隠れる。

「何これ?」

「音が気持ちわる~!」

機械音を聞いたことのないノアがブルッと震える。

「そう?面白そうじゃない?」

サトシの後ろから顔を出して興味津々のブランを、サトシが手で追い立てる。

「さ、洗濯機は危ないからね~。」

「昨日、あの中だったんだよね?」

「動いてる時に入りたい!」

「え~、絶対やだ!」

「ノアの怖がり!」

「ブランの強がり!」

二人は追いかけっこをしながらリビングを走り回る。

「窓開けるけど、遠くに行っちゃダメだよ?庭までね。」

「にわ?にわって何?」

「囲いの中ってことじゃない?」

「この狭いとこから出ちゃダメなの?」

「外は動くものがいっぱいだから、危ないんだって。」

「誰が言ったの?サトシ?」

「違う……トラさん。」

「トラさん?」

「もうすぐ来るよ!」

一頻り、庭を走り回ったノアとブランは、

ハーブに水をやるサトシの足元で、盛り上がった土を崩す。

「汚れちゃうよ。」

サトシが足元に声を掛ける。

「そうだよ、ブランの毛、白いんだもん、汚れちゃったらもったいない!」

「ノアだって、ツヤツヤなんだから、ちゃんと綺麗にしてなくちゃ。」

そう言いながら、二人は柔らかい土の上でじゃれだす。

「あ~、もう、しょうがないなぁ。」

サトシはパタパタと家の中に戻って行く。

ノアとブランもサトシの後を追い掛ける。

「ダメ。そのまま入って来ちゃ。」

サトシに言われ、ビクッとして、リビングの窓枠から前足を離す。

少し声を張ると、サトシの声はママンにそっくりで、体が勝手に反応する。

「待ってなきゃいけないの?」

「汚れてるから?」

ノアとブランはお互いを見つめる。

ノアの腹には土が、ブランの足には草が付いている。

二人はブルブルっと体を震わせ、土と草を払い落す。

「これできれい?」

「うん、きれい!」

サトシがバスタオルと濡れタオルを持って来ると、二人がまたリビングに上ろうと

ジャンプの体勢をとる。

「待って、家に入る時はちゃんと足拭かないと!」

サトシは窓の近くにバスタオルを広げ、ブランを抱き上げて胡坐を掻く。

胡坐の中央にブランを寝かせ、四肢を拭いて行く。

「んふふっ、くすぐったい!」

肉球の間まで綺麗に拭かれると、ブランが体を捩って抵抗する。

「ほら、じっとして。すぐ終わるから。」

最後に右の後ろ脚を拭かれ、サトシの腕から逃れると、尻尾を立ててサトシを見上げる。

「拭かなくても綺麗なのに。」

「ダメなんだって~。」

今度はノアが抱き上げられ、サトシに足を拭かれる。

「ノアは初めてじゃないんだから、大人しくしてよ?」

言われるまま大人しく足を投げ出すノアを見て、ブランがふんっと顔を上げる。

「サトシはママンじゃないんだぞ。」

意地悪くそう言うブランに、ノアが言い返す。

「ショウだって帝王様じゃないんだから!」

図星を突かれ、ブランがノアに飛びかかろうとしたところを、サトシに抱きあげられる。

「ほんとに仲良しだね?仲がいいほどケンカする!」

ノアとブランが顔を見合わせる。

ママンがよく言っていた言葉。

二人がケンカするたび、そう言って二人一緒に抱っこしてくれた。

「さ、ちょっと待ってて。虎次郎が来たら、おやつ出してあげるから。」

サトシは庭に下り、ジョウロを手にする。

「虎次郎ってトラさん?」

「そう、めっちゃめちゃ頼りになるおじさん!」

ノアがバスタオルの上で丸くなると、背中をくっつけるようにブランも丸くなる。

サトシのジョウロから、水がナスに注がれる。

キラキラ光るジョウロの水は、すぐに消えてしまって、虹の欠片より綺麗に見えた。