WONDER-LOVE Ever -89- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「あ~、よく寝た!」

ブランが顔中を口にして欠伸をする。

人間界は地獄より疲れるのか、まだ眠い。

「あ、起きたね。」

「やっと起きた!」

アイバが嬉しそうにブランに寄ってくる。

「お腹空いたのか?ん?」

長い指で、ブランの鼻を撫で、顔を近づけて来る。

「ん~、気持ちいい!もっともっと!」

ブランが気持ち良さそうに目をつぶると、アイバはもう片方の手で、喉を撫でる。

「かっわいいなぁ、見て、この顔!」

アイバが、隣にいる彫りの深い男を呼ぶ。

「かわいいっ。」

彫りの深い男も、その手を伸ばす。

漂う甘い香り。

「やっ、何、この匂い!」

ブランが男の手を牽制する。

「こんな匂い、嗅いだことない!この指?この指から匂う?」

ヒクヒクとヒゲを動かし、指の匂いを嗅ぐ。

「ほら、ジュン君、警戒してるから!」

アイバが得意気にブランを抱きあげる。

「子猫は警戒心が強いからね~。」

抱き上げると、大きな手でワシャワシャとブランを撫でまくる。

「嫌がってない?」

ジュンが不審そうにアイバを見る。

「大丈夫、大丈夫。俺、動物得意だから。」

尚もワシャワシャと撫で続けるアイバの指に、ブランが噛みつく。

「やり過ぎ!そこまでしていいって言ってない!」

「だ、大丈夫?」

ジュンが心配そうにアイバを見るが、アイバは平静を装って手を振る。

「大丈夫、大丈夫。甘噛みだから。」

その指から、ツーっと血が垂れる。

「え?甘噛み?」

「はっはっは。やり過ぎだぞ。」

バツの悪いアイバは、メッと言うように、ブランに顔を近づける。

その顔に、ブランの前足がしなる。

「いって!」

アイバが鼻を押さえ、ブランを抱いたままうずくまる。

「マサキ、大丈夫?」

「だ、だいじょーぶ……。」

ジュンが覗き込み、鼻を押さえるアイバの手を掴む。

高い鼻にスッと白い線が入っている。

「本当に動物、得意?」

アイバはもう片方の手で、自分の鼻を撫でる。

「得意なんだけどなぁ。おかしい!」

ジュンは、アイバの抱いたブランに手を伸ばす。

ブランはその手に向かって、喉を鳴らして威嚇する。

「ダメだな。こいつ警戒しすぎ!」

「ママがいなくて不安なんだよ。」

アイバは、また優しくブランの喉を撫でる。

「俺はマサキの鼻も心配。綺麗な鼻なのに。」

ジュンは、アイバがさっきブランにしたように、アイバの鼻筋を撫でる。

「くふふ、にゃあ~ん。」

「この大きな猫は従順。」

ジュンはアイバの頬に手を添える。

「にゃあ……。」

その手をアイバが甘噛みしようと口を開くと、倉庫の入口の方からカサっと音がする。

二人は動きを止め、近づいてくるシルエットを見上げる。

「お前らが遅いって、ニノに角が生えてるぞ。」

二人の前にしゃがみ込んだ顔が優しく笑い、ブランに手を伸ばす。

「あ、この人!」

ブランはその手に飛びつき、顔を擦りつける。

それを見ていたアイバとジュンが顔を見合わせる。

「意外……。ショウさん、動物苦手じゃないんだ。」

「ほんと、意外!」

「意外じゃないぞ。ショウ君の優しさは動物にだってわかるんだ。」

両手を後ろで組んだ男が、しゃがみ込んだ三人を見下している。

「店長!」

アイバが叫ぶと、ブランは驚いてビクッと身を引く。

逆光でシルエットになったその姿を見上げた途端、ブランが飛び上がる。

「ママンっ!」

アイバの膝を蹴り、ショウの手を跳ね上げ、ジュンの肩を台にして飛びつく。

「お、元気いいな?」

自分の胸に貼りついたブランを、店長が両手で支え、ニコッと笑った。