WONDER-LOVE Ever -75- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



一瞬の暗闇の中、ノアは大声で叫ぶ。

「ブランっ!」

キャンディを舐めた瞬間、考えなければいけないのは、ブランと行った喫茶店。

ノアは喫茶店を思い出し、強く念じた。

それなのに、ノアの心を過ったのは……智の顔。

次の瞬間、フワッと体が浮くような感じがして、

ハッと気づくとノアがいたのは……見たこともない道の真ん中だった。

ノアは慌ててブランを探す。

「ブラン!」

キョロキョロ辺りを見回し駆け出す。

「ブラン、どこ!?」

ブランの影も、あの喫茶店も見えない。

闇雲に走り回り、通りを歩く人を避け、ブランを探す。

だが、ブランの姿どころか匂いもしない。

「ブラン……。」

徐々に心細くなり、泣きそうになる。

「ブラ~ンっ!!」

大声で叫ぶと、小さな男の子が寄って来る。

「ママ~!ねこ~っ!」

ノアはサッと避けて走ると、自動販売機の下に逃げ込む。

「ママ~!」

男の子の手が自動販売機の下に入ってくる。

ノアはさらに奥に移動する。

「入っちゃった。」

男の子が、地面に頭が付きそうになりながら、自動販売機の下を覗き込む。

ノアの目が大きくなる。

怖い。

シルエットでしか見えない男の子の影が怖い。

伸ばす手に身震いし、さらに奥に逃げる。

「ねこちゃ~ん、ねこちゃん?」

男の子の手がおいでおいでと動く。

ノアはじっと動かず、ただその手を見つめる。

「ダメよ。そんなとこにしゃがんじゃ。ほら、買い物行かないと

 お昼食べられないよ~。」

お母さんの声に、男の子が立ち上がる。

「でも、ねこちゃん……。」

「大丈夫。猫ちゃんもママのとこに帰るから。」

男の子の足が動き出す。

「ほんと?」

「そうだよ。でないとねこちゃんもご飯食べられないからね?」

「うん!」

遠のいて行く二人に、ホッとし、自動販売機からちょっと顔を出してみる。

人影はない。

ノアは、ふぅと溜め息を吐き、空を見上げる。

「ブラン……どうしよう?」

自動販売機から出、フラフラと辺りを見回す。

どう見ても、来たことのないところに見える。

ブランと以前人間界に来た時にも、降り立った覚えがない。

どうしてこんなところに来てしまったのか。

途方に暮れると、だんだん喉が渇いてくる。

キャンディを舐めたせいか、走ったせいか。

「水……どこにあるんだろ?」

ノアは用心しながら道の端を歩く。

「ジュースでもいいけど……星のしずくジュース。

 あ、血の池ジュースでもいいな……。

 とにかく、何か飲みたい……。」

次の瞬間、フワッと体を掴まれて硬直する。

え?と振り返ると、学生服を着た女の子がノアの体を抱き締めていた。

「いやん、可愛いっ!」

「ほんと、すっごいイケメンじゃない?」

「何この大きな目!カラコンなくてこれって、すごくね?」

「超、小顔!」

「赤い鈴、似合う~!」

女の子たちが楽しそうにノアを見つめる。

ノアは嫌がって、女の子の胸に爪を立てる。

「痛っ。」

女の子がびっくりしてノアから手を離す。

その隙をついて走り出す。

「あ~、逃げられちゃった!」

「せっかく飼ってあげようと思ったのに。」

女の子たちの声が遠くに聞こえる。

ノアは走りながらホッとして、前を向いた瞬間、何か柔らかいものにぶつかった。