WONDER-LOVE Ever -74- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「ノア、ちゃんと帽子かぶって。」

ブランがノアの頭に帽子を乗せ、後ろをキュッと引っ張る。

「変身するのに?」

帽子のつばを摘まんで面白くなさそうな顔をする。

「いつ変身が解けちゃうかわからないでしょ?

 その時目の前にいるのが、姿を見せていい相手かどうかわかんないからね。」

ブランも帽子をキュッとかぶる。

ノアには黒、ブランには白のお揃いの帽子は、つばが広くて先の尖ったお出かけ用。

ブランはさらにノアの首に赤いリボンを結ぶ。

器用そうに見えて、不器用なブランの結んだリボンは曲がっていて、

それを見てノアがニコッと笑う。

「ブランのリボン、貸して。」

今度はブランのリボンをノアが結ぶ。

綺麗に整え、少し離れてブランを見る。

「うん、綺麗。青いリボンが似合う。」

ノアが満足気にブランのリボンを左右に引っ張る。

「ノア、器用だよね。僕はどうしても曲がっちゃう。」

ブランがノアのリボンを気にする。

「大丈夫。ブランが結んでくれたリボンだもん。」

少し斜めになったリボンを、誇らし気に見せるノアをブランが抱き締める。

「今回は……長くなるよ。」

「わかってくれないなら、帰る気はないよ。」

一度腹を決めたら、揺るがないノアに、ブランは頼もしさを感じる。

穏やかそうで、ブランよりもずっと頑固。

腹を決めることなんてめったになかったけど。

「何に変身する?」

「人間じゃない方がよくない?」

「そうだね。人間だと、いろいろめんどくさそうだもんね。」

二人は人間界で見た人間たちを思い出す。

ぎゅうぎゅうに箱に詰められるのも、キューピットに矢を射られるのもごめんだ。

「じゃ、鳥にする?」

「鳥?」

「カラスとか?」

「白いカラスがいたら目立たない?」

ブランは全身が黒いものに変身するのが苦手だ。

同じように、ノアは白いものに変身できない。

「じゃ、その辺にいる動物で白黒いてもおかしくないもの……。」

二人は、ん~と考え、同時に叫ぶ。

「犬!」

「猫!」

犬と叫んだブランが渋い顔をする。

「え~、猫~?」

「犬は人間に飼われてたよ。猫は屋根の上にもいたけど、犬は一人でいなかった!」

ブランはまた、ん~と考え、しぶしぶうなずく。

「わかった。じゃ、猫にしよ?」

にっこり笑うノアに、ブランも笑い返す。

二人は指を顔の前で立てる。

「待って!スプレーしてから!」

ブランがスプレーをノアにかける。

「これ、利いてるのかなぁ?帝王様にもバレてたし。」

「でも、他の悪魔や天使にはバレてなかったよ?」

「そうだったけど……。」

ブランからスプレーを受け取り、今度はノアがかけてあげる。

「じゃ、行くよ?」

スプレーを棚に戻し、二人が指を立てる。

白い煙と黒い煙が立ち上り……二人の姿が猫に変わる。

しなやかな体に、長い尻尾の黒い子猫。

長く綺麗な毛に、青い瞳が優美な白い子猫。

「似合う!ノア!」

「ブランもぴったり!」

満足そうにお互いを見、用意していたキャンディの包みを、前足で広げる。

「わかってる?あの海の近くの喫茶店だよ?」

「わかってるよ。」

「これ舐めたら、あっという間に飛んじゃうかもしれないからね?」

「わかってる。心配症だよ、ブランは。」

「だって、人間界ではぐれても、魔法は使えないんだよ?」

使えばあっという間に帝王様にバレてしまう。

それでは家出が台無しだ。

「じゃ、行くよ?あの喫茶店を思い出して……。」

ブランとノアは、同時にキャンディを口に入れる。

猫の口には大きすぎるキャンディ。

それをバリッと噛むと……。

二人の体が音もなく消える。

残った包み紙が、カサッと風に吹かれて転がった。