“誰もが愛する者のために戦う”

 

 

いよいよ、シリーズ三部作の最終章。

 

 

勝利に見放されたモルドールの戦い。

 

フロドの命懸けの使命──

 

この使命に欠かせない大きな存在

フロドの親友、

太っちょのサムが大活躍!

 

そしてフロドのために

死者となって皆が戦う!

 

 

小さくて偉大なホビットたちニヤリ

 

指輪が造られた火山の

噴火口まで、あともう一息です。

 

 

 

 

(スメアゴル/ホビット・ストゥア族)

独りぼっちが寂しくて泣いた

わしらの願いは1つ

魚をとっ捕まえること

ピチピチした おいしい魚

パンの味など忘れちまった

木々のざわめきもね

優しく そよぐ風

自分の名前さえ

忘れちまった

 

 

(フロド)

我々には道案内人が必要なんだ

お前の助けもね

(吹:僕らだけでは使命を果たせない

道案内がいる それに お前の支えもね)

 

 

(ガンダルフ)

愚か者だが

正直な愚か者だ

 

 

(ガンダルフ)

人間が勇気と戦う力を

持ってることを知った

サウロンには脅威だ

 

 

(アルウェン/リヴ・タイラー)

私の選んだ道です

お父様の望みが どうであれ

ここから私を運ぶ船は

もうないのです

 

 

(ガンダルフ)

嵐の前の静けさじゃよ

 

 

(ガンダルフ)

希望の火がともされた

 

 

(エオウィン/セオデン王の姪)

指揮官は あなた

兵は あなたに従い

死を恐れず戦うでしょう

(吹:あなたは希望です)

 

 

(エオウィン)

吹:誰もが愛する者のために戦う

 

 

(エルロンド卿/エルフ語)

〈私は人間に望みを与えた〉

 

(アラゴルン/エルフ語)

私は自分に何の望みも残していない

 

 

(アラゴルン/ヴィゴ・モーテンセン)

あなたは幻影を愛している

私には応(こた)えられません

 

 

(ガラドリエル/ケイト・ブランシェット)

これは あなたに与えられた

使命です フロドよ

それを果たせるのは

あなただけ

 

 

(ガンダルフ)

旅は まだ終わらん

死は誰もが いつか

通らねばならぬ道なのだ

灰色の雨の帳(とばり)が巻き上がり

すべてが銀色のガラスに変わる

そして見るだろう

 

真っ白な岸と

その先を

 

はるかな緑の地に

暁(あかつき)の太陽が昇ってゆく

 

 

(フロドの声)

昔の暮らしに どう戻る?

 

どうすれば?

でも心の中では

分かり始めている

もう戻れぬことを

時が癒(いや)せないことがある

受けた傷は深く残り

永遠に癒(い)えない

 

 

(エルロンド卿/エルフ語)

海が我らを故国へ呼んでいる

 

 

♪~

 

さあ 横におなり

疲れた顔をゆっくり休めて

夜の帳(とばり)が降りて

あなたの長い旅は

今 終りを告げる

ゆっくり お休み

先に行った人の夢を見ながら

その人たちが呼んでいる

はるか遠い海の向こうから

 

あなたは なぜ泣くの?

なぜ涙が ほほを

濡らしているの?

でも あなたには分かるはず

すべての恐れが消え去ることを

 

わたしの この腕に抱(いだ)かれて

あなたは安らかに眠りに落ちる

 

よく見て 何が見える?

あの水平線のかなたに

空を舞う白いカモメは

なぜ鳴くのか

限りなく広い海原に

青白い月が昇ってゆく

船が近づく

あなたを故郷へ運ぶ船が

 

そして すべてが

銀色のガラスに

変わってゆく

海の面(おもて)に光が差して

すべての魂は

過ぎ去ってゆく

 

希望は色あせ

夜の闇に のまれてゆく

濃い影が立ちこめて

記憶と “時” が薄れてゆく

でも言わないで

“これで すべてが 終わった” と

白い砂浜が呼んでいる

いつか また きっと会える

 

あなたは わたしの

腕に抱(いだ)かれ

ただ無心に眠る

 

よく見て 何が見える?

あの水平線のかなたに

空を舞う白いカモメは

なぜ鳴くのか

限りなく広い海原に

青白い月が昇ってゆく

あなたを故郷へ運ぶ船が

 

そして すべてが

銀色のガラスに

変わってゆく

海の面(おもて)に光が差して

灰色の船が遠ざかる

はるか西方を目指して

 

 

(映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』より抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

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