一つの旅が終わり、次が始まる
シリーズ、2作目。
1作目の「旅の仲間」が三手に別れ、
それぞれの旅路が始まります。
ファンゴルンの森で出会う
“森の守り手”
エント♡
黄泉の国(死者の国)から戻った、ガンダルフ!
300対10000、
勝利の望みのない戦──
人間とエルフ、ドワーフ、エントたちが
「ヘルム峡谷の戦い」に挑む!
(エント/森の守護神)
わしは木じゃないぞ
わしはエントじゃ
わしは誰の味方でもない
誰も わしの味方になって
くれんからな
森のことを気にかける者は
もう どこにもおらん
*
(エント)
森に火を持ち込み
時には斧を運び込んで
かじり 噛み付き 切り裂き
叩き割り 火を放つ!
破壊し強奪する奴らだ
呪われろ!
*
(ガンダルフ)
火と水を
くぐり抜け
地の底から
そびえる峰の尖端へ・・・
モルゴスのバルログと戦った
ついに奴を投げ落とし
山腹に打ちつけて
息の根を止めた
時間がわしを包み
わしは意識と時間の外へ
さまよい出た
星々が頭上で渦巻いて流れ
過ぎ去る一日一日は
地上の一生のように長かった
だが それで終わらず
わしは
再び体内に生気を感じた
そして送り返された
務めを果たすために
(アラゴルン/ヴィゴ・モーテンセン)
ガンダルフ
(ガンダルフ)
ガンダルフ?
そうだった
そう呼ばれていた
“灰色のガンダルフ”
わしの名だった
今は “白のガンダルフ” だ
そして戻って来た
潮の変わり目にな
一つの旅が終わり 次が始まる
*
(エント)
猛々(たけだけ)しく育った木々は危険だ
胸の中で怒りが沸(わ)き立ち
隙(すき)を見せれば覆いかかる
なのに彼らをなだめる
わしたちエントの数は
今や あまりにも少ない
*
(ガンダルフ)
ローハンの王 セオデンの居城
彼の心は操られ
サルマンの思うがままに
動かされてる
*
( “蛇の舌” グリマ)
あなたは独りぼっち
暗闇に向かって
何を話しておられる?
眠りの訪れぬ つらい夜
自分の人生が
小さくしぼんでゆく
寝室の壁が四方から
じわじわ迫ってくる
自由を求める魂を
閉じ込める檻(おり)だ
あなたは美しい
だが冷たい
冬の寒さに しがみついてる
早春の朝のようだ
*
(ガンダルフ)
セオデンよ!
センゲルの息子!
影から抜け出すのだ
聞け!
あなたを呪縛(じゅばく)から解き放とう
傷から毒を引き出すように
お前を引き出そう サルマン
去れ!
*
(ガンダルフ)
自由な空気を吸え わが友
*
(ローハンの国王、セオデン)
ずっと悪い夢を見ていた
*
(ガンダルフ)
(ご子息は)武勇に秀でた若者
(その御霊は)必ずや ご先祖の元に
向かわれる
*
(エオウィン/セオデンの姪)
死や苦痛の恐れなど!
(アラゴルン/ヴィゴ・モーテンセン)
あなたの恐れるものは?
(エオウィン)
檻(おり)です
鉄格子の中で老い
気力を失って
勇気を試す機会に
見放されることです
(アラゴルン)
あなたは王家の娘
ローハンの “盾(たて)持つ乙女”
そんな運命には無縁です
*
〈夢の中〉
(アラゴルン)
〈あなたは言った
“この日が いつか来る” と〉
(アルウェン/リヴ・タイラー)
〈これは終わりでなく
始まりです
フロドと旅を共に
それが あなたの道〉
(アラゴルン)
〈その道は見えない〉
(アルウェン)
〈あなたの足元に
敷かれてます
ためらいを捨てて〉
〈信じるものがない時でも
これを信じて
私たちの愛を信じて〉
*
(エント)
かつては森で
散歩するサルマンを見かけた
だが今の奴の心は金属と
歯車で出来ておる
生(は)え育つものへの
愛情も失ってしまった
*
( “森の奥方” ガラドリエル/ケイト・ブランシェット)
闇の力が集められて
指輪の意志は強まる
指輪は人間の手に戻る方法を
懸命に探しています
指輪の力で簡単に
誘惑できる人間の手に
*
(ガラドリエル)
もう一息(ひといき)です
指輪が目的を達するまで
もう一息・・・
サウロンは地上の
全生命を支配する
それで世界が
破滅しようとも・・・
エルフの時代は終わりました
*
(エント)
わしらエントは
人間と魔法使いの戦(いくさ)には
知らん顔
大昔から そうじゃった
しかし今 何か新しいことが
起ころうとしておる
この第三紀を通じて
起こらなかった何かが・・・
エントムートじゃ
皆で集まることじゃ
ぶなの木 樫(かし)の木
栗の木 トネリコの木
よし よし よし
大勢 集まったぞ
戦(いくさ)に加わるか否かを
わしらエントが
決めねばならん
*
(セオデン)
お前は王を信頼するか?
-臣民は何があろうと
運命を共にするでしょう
*
(アラゴルン)
“望みは常にある”
*
(エント)
〈破壊された森を見て〉
ここの木は わしの友達だった
奴らが木の実やドングリ
だった頃から知っていた
それぞれ声も持ってた
サルマンめ!
魔法使いともあろう者が!
これほどの悪行を
ののしる言葉は
エルフ語にもエント語にも
人間の言葉にもない
今夜はアイゼンガルドに
岩や石の雨を
降らせてやるぞ!
*
(エント)
友よ 立ち上がろう
我々エントも
戦(いくさ)におもむくのだ
恐らくは これが
我々の最期となるだろう
これがエントの
最後の行進じゃ!
*
(サム)
心に深く残る物語の中に
入り込んだ気がします
暗闇と危険に満ちた物語
明るい話になり得ないので
結末を聞きたくない
悪いことばかり
起こった世界が
元に戻ります?
でも この暗闇も いつかは
消え去ってゆくでしょう
暗黒の日々にも終わりが・・・
新しい日が来ます
そして太陽が より明るく輝く
(吹:でも夜のあとに 必ず朝が来るように
どんな暗い闇も 永遠に続くことはないんです
新しい日がやって来ます
太陽は倍にも増して 明るく輝くでしょう)
そういうのが心に残る
意味の深い物語です
子供の時は分からなくても
なぜ心に残ったのか
今は よく分かる気がします
物語の主人公たちは
決して道を引き返さなかった
何かを信じて
歩み続けたんです
(フロド)
何を信じればいい?
(サム)
この世には
命を懸けて戦うに足る
尊いものがあるんです
(映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』より抜粋)
1作目はこちら↓
3作目はこちら↓