大学で学びたいことを16歳で選択する制度(イギリス) | 天王予備校本町教室のブログ

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5月18日からイギリスでは大学受験と呼ばれるA-Level(Advanced Level)の試験が始まりました。教科が多いので試験はおよそ1カ月にわたります。

A-levelの試験は日本でいうセンター試験のようなもので、受験した教科の数と評価によって大学の合否が決まります。

(ちなみにイギリスの大学は9月から新学期が始まります)

 

現在A-Levelは教科が109から20ほど減り、それでも80教科あり、経済学から写真など幅広く学べるようになっています。勿論、日本語を含むたくさんの語学も1教科として存在します。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Advanced_Level_subjects

(アップデートされていないですが、教科のリストです)

 

まず日本の大学受験とイギリスの大学受験の違いを簡単に説明します。

 

・大学志望願書はUCASという機関を通して10月から1月ごろまでに志願する。(オックスブリッジは締め切りがはやい)

 

・大学は5つの大学、または学部まで志願できる。同じ学部を5つの大学に志願するのも良し、5つ全く違った大学、学部を志願しても良い。

ただし

・大学志望願書を提出する際の「自己PR」は一つしか提出できない(4000単語ではなく、4000字)

・希望学部によっては、必須の科目がある(例えば経済なら数学が必須など)

こういった理由からOO大学の工学部とXX大学の法学部を一度に志願するという生徒さんはあまり多くありません)

 

・日本の大学受験は高校3年間ですが、A-Levelとは16歳から18歳までの2年間で勉強します。

1教科の勉強量は深く、課題と試験の両方がある教科もあり、人により取る教科の数は違っていますが、受験科目数は平均3~4教科です。そして結果は得点ではなく、AからE評価まではパスです。

ちなみにオックスブリッジ(オックスフォード大学やケンブリッジ大学は5教科全てA*取得+数回の面接が一般的です。

 

・その後、UCASを通して各大学から合格、不合格、条件付の受け入れ(conditional offer)というものをもらいます。

大抵の生徒さんは「条件付の受け入れ」をもらい、その条件の例は

OX大学のXO科は2教科Aで2教科B、そして必須の教科は**

という感じです。

そして8月のA-level結果発表後に希望大学とお互いの条件が合えば合格できるという仕組みです。

 

ここで気になるのが、16歳の時点での選択教科の選択です。

 

最近読んだ記事で、2016年2月(試験の3~4ヵ月前)に取ったアンケートで26%の生徒さんが「大学を志望する際に他の教科を専攻していれば良かったと後悔したと」答え、41%の生徒さんが「大学進学を助けるA-levelの教科選択をもっとよく考えるべきだった」と答えています。

 

確かに、16歳の時点で大学の専攻を決めてしまうのは早いかもしれません。生徒さんによってはとりあえず5教科専攻しておいて、その中から得意な、または必要な教科を選ぶということをしています。

 

みなさんは16歳で限られた教科数を自分が数年後にやりたいことを見越して選択できると思いますか?

 

 

ちなみにA-levelで人気のある教科は

ビジネス、地理、物理、文学(日本でいう国語で日本よりも課題が多い)、心理学、歴史、化学、生物学で一位は数学だそうで、私が大学受験した頃とあまり変わっていません。

 

今度機会があれば、皆さんに馴染みのある教科で掘り下げた話もしてみたいと思います。