山口県から島根に。第3話 石見畳ヶ浦~温泉津温泉元湯温泉~八重垣神社~黄泉比良坂~由志園牡丹~ | 昆虫漂流記

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東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

山口県から島根に向かいました。
第3話

石見畳ヶ浦~温泉津温泉元湯温泉~八重垣神社~黄泉比良坂~由志園牡丹~ベタ踏み坂(江島大橋)~帰宅
2024年5月4日


今回の旅の経路は下の図のように中国地方をぐるりと回ってきました。


 

今日は浜田市の「道の駅 ゆうひパーク浜田」からのスタートです。
まだ朝の6時台ですが、昨夜は早く寝たので目が覚めるのも早かったようです。

もう30年も前になりますが,以前も一人旅に際に訪問した事がある浜田市の「石見畳が浦」に車を走らせます。
ここは広大ない平坦な岩場が広がり、畳がひいてあるように縦横に直線の筋が見られる地形です。
説明よりも写真を張り付けておきます。


 
旅に出てから気軽には入れるような温泉が道すがらに無かったので、今日までお風呂を2日間我慢していました。

確かこの先に、数週間前に友人が訪問した温泉津温泉(ゆのつおんせん)があったはず!と朝の7時にハンドルを温泉津温泉に向けた。

夜はこの様に情緒ある風景に変わるようです。

島根県観光連盟 島根観光ナビのサイトから画像をお借りしました。

 

こじんまりした温泉郷で意外に私には好みです。
温泉郷の中でも有名な共同浴場は2カ所みたいなので、駐車場が前にある元湯温泉に車を進めた。
丁度駐車場のスペースが1台分だけ空いていた。
まだ朝の7時半にもなっていないがお温泉を楽しめるのは光栄です。
共同浴場の玄関前にお世話をされてる人がいて「ちょっと待ってもらわないといけないです」「15分ほどです」なんて言われたが気にする時間でも無いので、湯に入るのを楽しみに順番を待っていた。


さて順番が来て入り口(番台)でお金を払って脱衣所に~!(ネット上から写真をお借りしました)


 

浴場に入るとこんな感じ(ネット上で写真をお借りしました)

かけ湯をすまして、湯船に浸かろうと思ったら、空いていたのが右端奥の湯舟だった。湯につかると非常に暑い!
一度湯船に浸かり動くとさらに熱く感じるので、動けない!じっと我慢!
目の前に看板があり、「初めての人は、「ぬる湯」から~」なんて書いてあるけど写真左にある「ぬる湯」は、隙間なく人が浸かっているので此方で我慢!約3分ほど浸かって、ぬる湯に隙間が出来たので慌てて移動した。

ちなみに、右奥の「あつ湯」に入れる広さは3人程で、左の「ぬる湯」でも5人程しかスペースが無い。
「ぬる湯」に移動してから余裕が出来て周囲を見渡すと、初心者は此方からと書かれてあり、写真右下の「初心者用41℃のお湯」、その次に写真左の「ぬる湯で45℃ほどのお湯」、最後に入るのが右奥の「あつ湯で47℃のお湯」だって!完全に入浴する順序を間違えているが、我慢できたので良しとするかな?

ちなみに私の後に「ぬる湯」から移動してきた人が「あつ湯」を30秒で慌てて飛び出したよ!

あがり湯の最後に
あつ湯を桶に入れて頭から数回浴びると、目が覚めたようにすっきりした。
海が近いからなのか?少し塩分を含んでいるような気がした。
お湯に浸かれた事で、長時間の運転での肩こりは少しは楽になったようだ。

次の目的地は、島根県大根島の由志園だった。
ゴールデンウイーク期間中に由志園で咲き終え始めた牡丹を使ったイベントがあるので向かうのだったが、ふと脳裏に浮かんだことがあった。


何十年も前に一人旅でこの付近の国道を通過した際に「黄泉比良坂(よもつひらさか)」の看板をみかけながら通過してしまった事だ。
近年は、古事記や、日本書紀に昆虫が登場するので、簡単に古事記の現代訳版を読みこんでいるので、いささかド素人よりは知識がある。
それなら、少し寄り道をする事にした。

ここで非常に簡単に古事記の説明を記載しておきます。
古事記は日本神話の原典で、歴史書や文学の源泉に位置付けられています。
編纂は、壬申の乱を起こした天武天皇が命じて始まったのですが、間もなく崩御されて後の天武天皇の姪にあたる元明天王が再開させ和銅5年(西暦712年)に天皇に献上されたのが古事記です。
古事記は大きく別けて、上巻、中巻、下巻に分かれて、上巻は神話にあたる神々の物語が書かれている。
中巻は神武天皇から応神天皇、下巻は仁徳天皇から推古天皇までの人間の歴史が書かれている。

よく知られているのは、上巻の神話にまつわる神様の物語だと思われますが、
上巻も簡単に分けると、
「国生み」「黄泉の国」「天石屋戸」「ヤマタノオロチ」「国づくり」「国譲り」「天孫降臨」「海幸・山幸」「神武東征」とに分ける事が出来ます。
イザナギ、イザナミ、アマテラス(イザナキの娘、天上界の国づくり)、スサノオ(アマテラスの弟で地上の国づくり)、ツクヨミ(
月を司る、または夜を統べる神)、オオクニヌシ(スサノオの子孫)、これだけの名前を覚えておけば、実は古事記の事を知ったかぶりが出来ます。(笑)
これらの話の中に色々な八百万の神々の名前が出てきますがそれは頭が混乱しますからね。

今回、訪問しようと思いついたのが、此処で列記した「黄泉の国」と「ヤマタノオロチ」の神話の部分に関係する土地です

車を走れせている地点から一番近いのが「八重垣神社」でした。

 

八重垣神社の狛犬は砂岩来待石で彫られた出雲型狛犬と云われています。

通常の神社で見られる狛犬は獅子の形をしていますが、八重垣神社の狛犬は元の形状=犬の形を残しており、日本最古の狛犬像の一つとされています。

ここは縁結びの神様でよく知られた神社なのですが、私が興味があるのが、ヤマタノオロチを退治したスサノオが詠んだ和歌、
「八雲立つ 出雲八重垣 妻篭み 八重垣作る その八重垣を (やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを)」
という有名な大和歌で「
クシナダヒメと出会ったスサノオは自分がアマテラスの弟と告げ、姫を妻にもらう事を条件にヤマタノオロチの退治の約束を取り付けてオロチを退治してクシナダヒメと結婚し、出雲の国に新居を構えて新たな国づくりを始めます。その「愛する妻のために立派な垣をもつ屋敷を立てている様子を歌った」日本で最初の和歌と云われている歌碑が残っているを見たかったのです。
八重垣神社の御社号はこの歌に由来するものと云われ、スサノオが和歌の始祖と云われる所以です。

其の故、祭神はスサノオとクシナダヒメ(別名で稲田姫とも呼ばれる)が、お祀りされていますので縁結びの神様とされています。

 

ちなみにこの時に退治されたヤマタノオロチの尻尾から出て来たのが、三種の神器の一つと呼ばれる「草薙の剣(くさなぎのつるぎ)」でアマテラスに献上し、後世に伝わっているのですが、ヤマタノオロチは実はこの地方で曲がりくねた洪水を引き起こす河川を神格化したともいわれ、ヤマタノオロチの尻尾から出て来た草薙の剣は奥出雲が製鉄が盛んだったことの関係性を表現した説だと云う考えもあります。

 


 

とはいえ実際に此の神社を訪問すると、狛犬や和歌の碑に興味を持つ人もおらず、やはり縁結びの神様だけに若い美人の女性ばかりが詣でていました。
(私も、もうおじさんだけど独身だ!!って叫びたいところです(笑))

八重垣神社は、出雲で日本神話に関係していても出雲大社の2礼4拍1礼とは違い「2礼2拍手1礼」になります。



 

その次に訪問したのが、神話で「黄泉の国」となる部分になります。
イザナギとイザナミが出てくる神話です。
イザナギとイザナミの二神は数々の自然を司る神々を産みましたが、火の神であるヒノカズツチ神を産んだ時にイザナミは火傷をして命を落として黄泉の国に旅立ちます。
イザナミは黄泉の国で腐敗した姿に変貌します。イザナギは迎えに出かけてイザナミの腐敗した姿に驚きイザナミに追いかけられて、黄泉比良坂(よもつひらさか)(あの世とこの世の境)まで逃げるさいに桃の実を投げつけて逃げ切り、「千引の石」で道を塞ぎ、「死の世界」と「生の世界」を遮断したのです。
今回訪問したのがこの「黄泉比良坂」や「伊武夜坂」と云われている地域と「千引の石」なのです。


 

さあ!この写真が黄泉の国とこの世との境の結界です。

 

そして黄泉比良坂からイザナミを引き離して道を塞いだ「千引の石」が此方と云われています。

古事記を簡単に説明するのも容易では無いのですが、今回訪問したのは古事記に出てくる神々の土地と云う事なのです。

 

難しい話を長々としましたが、実は此処、黄泉比良坂は2010年に北川景子さん主演の映画「瞬 またたき」でラストシーンの映画のロケ地だそうです。今度この地を訪問する際は揖屋神社も訪問したいです。

 

さてその次に訪問するのは、松江市大根島の由志園です。
駐車場待ちが此処も凄い。20~30台は順番待ちで並んでいます。
駐車待ちの列に並んでいると、車の整理係の人が来たので「駐車場は此処しかないのですか」と聞くと「ちょっと待って」「こちらの奥に1台分空いてます」と小走りで探してきてくれました。

仕事とはいえ暑い中、探しに動いてくれたのでペットボトルお茶をお礼に渡すと喜んでもらえました。

後ろに並んでいる車の運転手が此方を見ながら「ニヤリ」」と笑っているのを横目に車を移動。(笑)
私って要領が良いのか?出会う人に恵まれているのか?

さて此処はゴールデンウイークは園内で花の終わりかけた牡丹の花をを庭園の池に浮かべて「池泉牡丹」と称して景色を楽しめるのです。


ここは説明よりも写真を楽しむのが一番。


人はかなり多かったですが、観光客の中には「この世の天国やね~」って話をする声も聞こえてきましたよ。

 

なるほど!これだけ多くの観光客の訪問があると、1度天国に行って、綺麗な世界で楽しんでから、この世の俗世に帰って来た人もいるんだな~!と笑ってしまった。

モチロン、見た事も無い牡丹の花も沢山ありましたよ。


滞在時間は1時間ほどでした。


さて此処から自宅に帰るには~!人気の景色の「アクセル、ベタ踏み坂で有名な江島大橋」を越えなければいけません。
こらがまたまた人気スポットなので大渋滞でした。


 

渋滞しなければ5分で通過できる区間を1時間以上かかり、やっとの事で境港の方面に移動できました。

此処からは日帰りで昆虫撮影に出かけている大山の麓なので勝手知ったる道なのですが、これまた車が多い。
自宅に、夕食には間に合わないのでコンビニ弁当で済ませて帰ると自宅に連絡して自宅の近くでコンビニ弁当を胃に掻き込んで帰宅です。
自宅に帰って車載メーターを見ると1064キロを走っていました。
地道が長かっただけに目と腰が疲れました。

 

これにて、旅話の経過は終わりとします。

さて、次はたった1種類のトンボの為に、山口県まで足をのばしたこの旅の本題です。