ヘルマンミヤマクワガタ WILD
Lucanus hermani
中華人民共和国 福建省 三明市
2002年採集された個体
2004年7月採集された個体
中国大陸のミヤマクワガタの仲間では9センチを超える大型になる種類です。
分類的にはタイワンミヤマやプラネットミヤマや日本のアマミミヤマ等とは近い類縁関係になる種類です。
中国の福建省、四川省、貴州省、浙江省、湖南省、広西壮族自治区、海南省の1000m級の高地の深い森に生息しており、大きな個体を見かける事が多い種類です。
月刊むし2001年4月号No362クワガタ特集号に「ミヤマクワガタ属のタイプ標本(1)]として、現在は九州大学のクワガタムシ研究の権威である荒谷邦雄教授が今から24年前の2000年にヨーロッパ各地の博物館を訪問し撮影されて来られているので、古い雑誌に埋もれているのは勿体ない写真なので年月が経過した現在に紹介させて頂きたいと思います。(この文章を持って敬意を表し参照元とさせて頂きます)
この標本はパラタイプ標本でジュネーブ自然史博物館に収蔵されていると記載されていました。
この標本ラベルからヘルマンミヤマの学名記載は1973年に記載され、基準標本(模式標本)はYen-Ping,China.と記載されている事から中華人民共和国福建省南平市延平区の標本を持って記述されたと思われます。
(ホロタイプ=新種、新亜種の記載にあたり、基準にされる為に世の中で1点(昆虫では1匹)だけ選ばれる標本。ただ単に”type"や”the type”として簡略化される事もあります。)
(パラタイプ=ホロタイプが指定された場合に、記載者がホロタイプに指定の際に使用された1点以外の、残りの全標本。)
外国産クワガタムシの輸入解禁以来、日本での輸入が許可されている種でしたが、暑さに弱く、寿命も短いので、標本輸入が多く、生体での輸入は難しいものとなっていたが、
2021年6月にフォーチュンミヤマ(Lucanus fortunei)と共に天然記念物(中国国家第二種保護動物)に指定された為に採取が出来なくなったようです。
国内で累代個体を入手出来ても飼育の際には、夏場でも25度以下の低温飼育が望ましいと思われますよ。
中華人民共和国 福建省 三明市
2002年に採集された個体
2004年7月に採集された個体