ナカスジシャチホコ 兵庫県北部 2023年8月22日 | 昆虫漂流記

昆虫漂流記

西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

ナカスジシャチホコ

兵庫県北部

2023年8月22日

今日はかなりマニアックなブログ更新になります。
取り上げるのは、人気も出て来そうな気もしない普通の蛾です。

8月は毎日が極暑の続く好天で外に出て行く気分になれず、自宅に届くセミの声を聞いていましたが、数日前から長く続いていた青空から急転し、豪雨と雷が鳴るような荒天候が始まりだし、気候の変化にソロソロ山の気温も下がった頃か?とライトトラップに出かけてきました。
今回は先日の各地で被害を出した台風の為に今回の目的地の兵庫県美方郡香美町内でも被害があり、相当の降水量があったようなので、目的地までの山道が通行できるのかどうかの下見も兼ねていました。
実質的な訪問は、9月頃から発生が見られる蛾の種類なのですが、当日に夜に通行止めと云うのは最悪のパターンなので、あくまで下見です。

目的地は、自宅から車で120キロほど離れ車で地道で走り込むと3時間半ほどかかります。
15時半に雨降る中の自宅を出発。現地には19時頃に到着です。
現地に着くと道路は乾いていましたが、風が強く、扇風機の強レベルの風が突風で吹いています。
気温は、自宅では33℃もあったのに、此処では23℃。流石に長袖を着込みました。

此処まで来たのだから、とりあえずはライトトラップを試してみようか?と19時半頃からスタート。

風が強い為に、翅アリや小さな雑虫類の昆虫は飛んできませんが、気になる昆虫も飛んでは来ない。
とりあえず、飛んで来た蛾を撮影や観察をしていると、ちょっと見慣れない蛾が混ざっていましたので、数枚撮影しておきました。

帰宅して調べて見ると、下に添付したように図鑑には記載されていました。

北海道、本州中部以北および四国の山地に生息するらしい。


ネットで検索してみると、殆どのブログ記事には、生息地は本州中部以北と記載されていて、まるで「孫引き記事」のように他のブログや図鑑と同様に書かれている。
そんな中で、「北河内昆虫記」というブログだけが、実際に兵庫県姫路市安富町での採集記録を記載されていた。

また、古い記録ですが1997年11月発行の兵庫昆虫同好会の会誌「きべりはむし」第25巻 第2号に『兵庫県で採集した蛾の記録 山本義丸の記述中に「朝来郡生野町段ケ峰(生野高原)1953年8月5日7日に 2♂」という記録も見つけましたが、やはり珍しい記録の中に紛れて書かれていました。

と云うのであれば、書物の記載を否定して、兵庫県には生息しているのは間違いないらしい。
という事で、此処でも記録を記載しておこうと思います。



ナカスジシャチホコ
兵庫県美方郡香美町村岡区大笹 標高880メートル付近
2023年8月22日20時頃飛来(撮影のみ)

それ以外の蛾の仲間はこんな感じです。

セダカシャチホコ

 

キシタバ

 

エゾシモフリスズメ

 

オオミズアオ

 

オオキノメイガ

 

アカヒゲドクガ

風も強い為なのか?面白いものがあまり飛んでこないので、消灯は22時で終了。

自宅には、日付も変わって帰宅です。

 

もう少しの間は、夏の暑さは我慢しなければいけないようですね。

でも!こんな人の気配の無い山の中では、

気温だけでなく、不気味な恐さから寒気さえ感じられますよ。

周囲の身近な場所にいるのは「獣」か「物の怪の類」ですからね。(笑)