タイワンアブラゼミ (台湾の保護昆虫)
Formotosena seebohmi
(青頭蝉)(臺灣爺蟬)
生きている状態では頭部、胸部の模様が青色で、
標本にすると黄色になるので(青頭蝉)との名前があるようです。
今回は台湾で見られるセミの1種「タイワンアブラゼミ」をとりあげてみます。
タイワンアブラゼミは現在は台湾の「野生動物保育法」で保護されているので、台湾からは海外に持ち出せない昆虫に指定されていますが、1995年以前に、お土産などで台湾から持ち出された標本が日本国内に存在しています。
台湾では1986年に「野生動物保育法」が公布され、1994年に修正公布されています。その翌年の1995年に行政により「野生動物名録」により174種の動物が保護指定されることになりました。
その中で昆虫は18種類が指定されています。
この法律では1995年以降は台湾の保護昆虫を採集、殺戮、売買する事や台湾から海外に持ち出す事が禁止られ罰金が日本円で約80万円~600万円、懲役が6ヵ月から5年の罰則が併用して与えられるという重い法律があります。
さてタイワンアブラゼミですが再度写真を添付すると、このような姿をしています。
当時のお土産として台湾で取り扱われたのは此方のような姿で販売されていました。
不思議な事に台湾のお土産の標本の下に並べてあるセミは、
世界最大のセミで「テイオウゼミ」(帝王蟬(タイテイオウセミ pomponia imperatoria )で
台湾には生息せず東南アジア(タイ)に生息しています。
(まあ、お土産物ですから台湾産に拘らずに柔軟に流しましょう)
ちなみに日本国内のアブラゼミは、ご存知のこんな姿です。
ただし、知られていないようですが生息地は朝鮮半島、中国北部、日本国内です。
日本国内では北海道から九州、屋久島にかけてまでのみにしか生息していません。
それ以南の南西諸島にはリュウキュウアブラゼミが生息しています。
もっとも普通種のアブラゼミですが日本の端から端まで生息している訳ではありませんよ!
近年は地域によってアブラゼミが減少しているという話も耳にしますが、
詳しい話はこれまた別の機会に!
(^_-)-☆