ナガサキアゲハ Papilio memnon Linnaeusし | 昆虫漂流記

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西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

ナガサキアゲハ

Papilio memnon Linnaeus

兵庫県姫路市撮影

 

ナガサキアゲハは国内では、1940年頃より西日本でも記録されはじめ、1980年代では記録が目立って増え始めた蝶になります。
東日本では、2000年代よりあちこちより記録されはじめ、2017年(現在)では、関東地方では、普通に見られる蝶になっています。
この蝶は、シーボルトが長崎で採集したことに由来され、

和名「ナガサキアゲハ」として学名Papilio memnon Linnaeusが命名されています。
しかし、初心者が勘違いしてはならないのは、シーボルトがナガサキで採集してナガサキアゲハと名がついてもPapilio memnon Linnaeusは亜種を示すものでありPapilio memnon の原名亜種は、

インドネシア、ジャワ産で、タイプ産地はジャワ、スカプミ(Sukabumi)であることです。

(ジャワ、スカプミと云われるより、クワガタ愛好家にとっては、ウエストジャワ、ゲーデ山山麓と云われる方が判りやすいと思いますね)

 

ちなみに台湾での蝶の生態図鑑では
「大鳳蝶」と記載され、別名、長崎鳳蝶、甌蝶と紹介されています

 

亜種一覧

  • P. m. memnon
  • P. m. agenor Linnaeus, 1768
  • P. m. anceus Cramer, [1779]
  • P. m. thunbergi Siebold, 1824
  • P. m. lowii Druce, 1873
  • P. m. oceani Doherty, 1891
  • P. m. merapu Doherty, 1891
  • P. m. pryeri Rothschild, 1895
  • P. m. clathratus Rothschild
  • P. m. subclathratus Fruhstorfer
  • P. m. coeruleus van Eecke
  • P. m. perlucidus Fruhstorfer
  • P. m. heronus Fruhstorfer, 1902
  • P. m. tanahsahi Eliot,

ナガサキアゲハ 兵庫県姫路市撮影

 


ナガサキアゲハ 兵庫県姫路市撮影

 

ナガサキアゲハの翅型の変異については、尾状突起を欠ける無尾型がほぼ本州全域でみられているのが通常型ですが、九州南部や、南西諸島、八重山では時折、雌において有尾型が記録されています。
有尾型と、無尾型の遺伝子においては、有尾型が優性遺伝子とされています。

国内の色彩変異において、雄においては目立った差異はみられませんが、雌においては、国内を南下するほど、白紋の発達が目立つとされ、よく図鑑などでは、西表島産の、白紋が翅一面に広がった個体が図示されていましたが、今では、この遺伝子を持った個体群は消滅し、他のタイプのナガサキアゲハが生息しているようです。

(遺伝子の淘汰が、自然現象で起こったようです)


ナガサキアゲハは、暖かい地域では生息数も多いと思われがちですが、八重山諸島では、非常に少ない蝶で、実際、私もまだ、この方面では見た事が有りません。
少し意外な面もある蝶です。

 

Papilio memnon 翅表 Chiang Mai N.Thailnd


Papilio memnon 翅裏 Chiang Mai N.Thailnd

 

Papilio memnon 翅表 Wang Chin Phrac Thailnd


Papilio memnon 翅裏 Wang Chin Phrac Thailnd

 

中華人民共和国 四川省 翅表


中華人民共和国 四川省 翅裏

 

ナガサキアゲハの近似種においては、西太平洋地域では遺伝子的に近い、パラワンアゲハ、セレベスアゲハ、アカネアゲハ、他などの多くの種が見られてインドのテンジクアゲハなどでも交雑種雑種が研究されています。
国内では、モンキアゲハとの間においても、雑種が出来る事が確認されています。
通常、同地域においての近似種では交雑個体は出来る事は非常に稀な事なのですが、同じ近似種でも、離れた地域の亜種を使うと雑種が人為的に作る事が出来る為、今後も新しい発見が見られるでしょうね!
ナガサキアゲハは近年生息域を拡大させてきた新顔の蝶である為に雑種が出来るのでしょうね。

 

 

兵庫県姫路市夢前町 雌翅表


兵庫県姫路市夢前町 雌翅裏

 

兵庫県姫路市 雄翅表


兵庫県姫路市 雄翅裏
この標本は私の可愛い甥っ子が小学生の時に採集、展翅したものです。

私の宝物です。
蝶の標本は小学生でも簡単にこの様な綺麗な標本を作る事ができます。
ただ甥っ子も、今は大きな社会人で昆虫には興味は、ないようですが。


私個人の図鑑や資料、標本からの記載の為に限りがありますので、詳しい詳細や最近の状況については、再度調べ直して参考にして下さい。まだ生息域は国内でも北上拡大しています。

 

 


12月、師走は本職で、私も忙しくさせて頂いております。(食品業界なもので)
12月も10日を過ぎますと、時間に追いかけられるようになりますので、

皆さんのブログにも、出来るだけ訪問させて頂きたいと考えてはいますが、「いいな」「コメント」等にお返事出来ない場合がありますが、ご了承おねがいします。どうもすみませんね。
もちろん、12月は自分のブログを書く時間がとれるのか?不安なんです?

 

12月03日には、今年最後の休み?なのかな、行ってきました。

伯耆大山(鳥取県)に、春に写真を撮る為の下見に行き、ついでの撮影に!

山は雲をかぶり、寒さはここ一番!!

「茅葺屋根と柿と冠雪大山」

道路脇除雪の為の赤白の棒と標識等の小さな数か所は写真加工にて消してあります。

撮影者は、10人以上が来られていました。

今回は、昆虫は探しませんでしたよ!