プリントの余白にあった手書きの文字はこうだった。
『コロナ禍でご家族の方が病院内に入れないため、直接お話しすることがなかなか出来ません。こちらに簡単ですが、梅園さん(母)の様子をお知らせさせて頂きます』
とあり、訪問歯科時の母の様子や、歯や口の中のことが書かれてあった。
ゼリーを食べ始めたのか、口の中に少しゼリーが残っていた。
食べられるようになると、汚れも残りやすいので、ブラッシングを丁寧に行うように指導し、口腔内をきれいにしたとのこと。
また、
" 終わると必ず
「ありがとう😊」
とお礼を言ってくれる梅園さんの笑顔が嬉しいです。"
と結ばれていて、こちらまで嬉しい気持ちになった。
こういう日常の母の様子が聞きたくても、病院ではなかなか教えてくれなくて、モヤモヤしていた時だけに、思わぬ訪問歯科の先生の嬉しい一文だった。
とてもありがたく思って、お金を振り込むと同時に、こちらも簡単だがお礼のハガキを出した。
面会もできず、病院も忙しそうで、母の様子が聞けず、心配していたので、歯科の先生から母の様子が聞けて、とても嬉しかった気持ちだったこと、感謝の気持ちを素直に書いた。
その後も
『今日は行ったら、ご機嫌がよくなかったのか、お口のお掃除はやりたくないと言ったのですが、看護師さんに「せっかく外から来てくれたのに」と言われたら、少し考えて「そうね、それは申し訳ないわね」とすぐにお口を開いて下さいました。
終わった後に「スッキリしたわ、どうもありがとう。最初はわがまま言ってごめんなさいね。気をつけて帰って下さいね」と、いつもの気遣いも忘れない梅園さんでした。』
歯医者さんのお知らせは、こちらの気持ちを考えて、口腔内のことだけでなく、母の日常がわかるような様子も書かれていて、本当にありがたく、楽しみになった
訪問歯科って、こんなに丁寧に対応してくれるものなの?
この歯科が特別なのかな?
こんなふうに病院も母のことを知らせてくれたら、どんなにいいだろう!
いろいろ悩んだ挙句、やはり、病院からも、きちんの母な状況を知らせてほしいと思い、私は思い切って、最初に親身になって話を聞いてくれた相談員さんにお手紙を書くことにした。
(つづく)